こどもの学び舎／⑰次は、日本語を使って／お母さんと会話したいな

毎月、恵まれない環境にいる子どもたちに、教育費を支援する里親制度。勉強する機会を得て、社会へ出る力を付けてもらうことを目的としている。　 7年間にわたって、支援を続ける里親が、このたび日本から来越した。｢今回の子は4人目です。これまでの子は、家庭の事情などで勉強が続けられない状況になり、最後まで見てあげられませんでした。やはり、１度、支援を始めたら無責任に途中でやめることなんて出来ないですよね。本人が勉強したいというなら、最後まで学校に行かせてあげたいです｣と語りながら、里子が待つ施設へ向かう。　里子のメン（Meng）ちゃんは周りから「思いやりのある子」と評判の高校生。今回の面会では、｢緊張します｣と恥ずかしそうな様子でつぶやき、うつむきがち。｢もう、20歳にもなるのね。背が高い子で驚いたわ。勉強は好き?　将来は何になりたいの?｣という里親からの質問に、｢経営管理に興味があって、将来は事務員になりたいです。でも、日本語を勉強して日本企業も視野に入れたい｣。　会話は通訳スタッフを通じて行われ、｢お母さんと、もっと直接話をしたいから日本語を勉強します!｣と、どこで日本語が学べるかを聞いていた。里親と会っての感想を尋ねると、照れくさそうにしながら、「とにかくすごく嬉しい。幸せです｣と、はにかんだ笑顔を見せてくれた。