29屋的越南恋愛コラム／束縛＆ヤキモチ過剰な彼氏に／うんざり、という貴女へ／第25回

「おまえ、俺が出張中に、どこで誰と呑んでたんだよ（怒）！？」

昨今、当地の未婚の日×日カップルに、よくある話。彼氏が仕事や接待、海外出張で忙しくて会えない間に、暇つぶしでベトナムや欧米の若い衆が集まるパーティーやクラブに顔を出したら、多国籍のオトコどもから、なんだかチヤホヤされてしまい、満更でもない。というか、満喫する彼女。ついつい「親密なボディタッチ」や「近すぎる距離での会話」など、悪い意味で日本人離れしたコミュニケーションを繰り広げる。　その様子を目撃した知人が彼氏に「ご注進」して、後日、「浮気か！？」、「そんなわけないでしょ！」の痴話ゲンカに発展。最悪、別れに至る場合もあるという。　特に、普段から日本人以外のコミュニティで仕事やプライベートを過ごしている進取開放的な性格の女性ほど、「欧米では挨拶代わりでしょ？　なんで、そんなことでヤキモチ妬くのよ！　これだから日本のオトコは（呆）」みたいな気持ちを抱くらしいのだが、ちょっと待ってほしい。ここは欧米ではないのに、そこだけ特殊ルールを持ち出すのはおかしくないか？　何よりも、ちょっといじくられただけでシナを作って媚びる（ように見えるのも含む）女は、はたして本当に「いいオンナ」なのか？　李下に冠を正す勿れ。世間が狭い、日本以上のウワサ社会だからこそ、アカの他人から面白おかしくネタにされるような行いを意図的に慎むべきではないのだろうか？ 「騙す方より騙されるほうがいい」本当に、それでＯＫ？ 　フランスからの外来語で、演劇や文学の用語として日本に定着している「コキュ／Ｃｏｃｕ」という言葉がある。直訳すると、カッコー。他の鳥に托卵することで悪名高き、あのカッコーであるが、その習性を「他人の妻・恋人を奪うこと」に陰喩して、被害者側の「自分の嫁・恋人を盗まれているのに気がつかないマヌケ野郎」のことを、こう呼ぶのだとか。　喜劇の題材として扱われることが多い設定なのだが、ベトナムにおいて、パートナーに浮気をされて気がつかないようでは、その人物の器量を疑われてしまうのであると知るべし。　たとえば、市場の買い物で１０００VND（約５円）単位の値切りを一生懸命にやるのは、１度でも交渉ごとで負ける姿を公に見せてしまうと、「あいつ、ボリやすいぞ！」と、今後その市場ではカモ扱いされ、今後の生活と沽券に係わってしまう。　常に「試される大地」、それがベトナムだ。よって貴女が公の場でガードのユルい姿を晒すことにより、パートナーである彼氏は晴れて「コキュ」扱いされ、自動的に仲間内での株が下がるのだ。また、貴女が自分の「分」を越えて日本離れした振る舞いをすることは、親密さではなく軽薄さの表れとして解釈される危険性のほうが多いはず。ガッツ、大和撫子！