29屋的越南恋愛コラム／本気？　浮気？　ベトナム人『モトカレ』の猛烈復縁アプローチ／第23回

失って初めて、気がついたんだ！キミのことが（以下省略）

優しく、スマートで、かっこいいベトナム人男性に惚れて、みごとカップル成立したものの、相手の浮気や遊び癖が原因で、ブチキレ→別れる。そんな経験のあるヤマトナデシコは結構多いらしい昨今。ところが最近、よく聞く新パターン。ようやく失恋の痛手も癒えて、新しい恋に歩み始めた頃、突然元彼が現れて、「やっぱりキミでないとダメだ！　もう１度やり直さないか？」と、まるで２人が出会った頃のような熱心さで、一歩間違えたらストーカーレベルの夜討ち朝駆けの総攻撃を仕掛けてくるのだと言う。きっぱり断ればいいものを、それが満更でもないのが乙女心。もともと嫌いで別れたわけでもなし、自分がちょうど「空き家」だったり、「今彼」に今ひとつ満足できていなかった時に、こういう「過去をやり直すチャンス」みたいなイベントが起きると、ついつい乗ってしまいたくなるのも、人情と言うもの。はたして、過去の失敗を糧に、幸せになることはできるのだろうか？ 真実の愛が返り咲いたのか？　それとも、安全牌のショートリリーフか？ 男の恋が、獲物を手に入れた瞬間に最高潮を迎える「狩猟・漁労タイプ」であるのに対し、女性の恋は、両思いが成就した瞬間から種を蒔かれて始まる「農耕・採取タイプ」。気持ちのピークにギャップがあるのは自然・当然・必然であり、その時間差・温度差から、お互いの気持ちの盛り上がりにも相違が生じてしまうのも、また、むべなるかな。恋の始まりの熱狂が「非日常に酔う祭り」であるのならば、恋が愛に変わるためには「相手への不満をやり過ごす方法」を編み出すための試練を経なければならない。日本男子の場合、東郷平八郎元帥がのたもうた如く、言いたいことや泣きたいことや理不尽なことを「ぐっと我慢して堪えて行くのが男の修行である」と考えるのが理想であり、できぬまでも、その境地を目指そうとする者は多いと思う。しかし、歴史的にカカア天下がアイデンティティとして骨の髄まで染み込んでしまっているベトナム人男性は、その対極にあるようだ。女に対して口答えをしても勝てないのがわかっているし、無駄な努力をして自分が嫌な思いをするくらいならば、自分のマメ男ぶりを活かして、外で新しい女をこさえたほうが、はるかにラクチンかつ自分の沽券（こけん）を保つことが出来るから。よって、ベトナム人元彼の魂胆が、新しく作った彼女とトラブルがある、もしくはただ単にナンパする相手に事欠いたから「とりあえずモトカノとでも遊んどくかな。あいつ、今でも俺のこと好きだろ」と舐められている可能性も否定できないと覚悟すべし。ヤケボックイに火をつけるか、水ぶっ掛けて埋めてしまうか。どちらにしても、ガッツ！