ベトナム人経営者の気質/第14回 「名義借り」でのビジネスはリスクと隣り合わせ

想定外の事態は起こり得る

ベトナム進出には様々な形態があります。ベトナム人経営者と長く付き合って行くという形態を考えると、ここ2年ほど前から特に相談が増えているのが、自らはオーナーとして現地のパートナーに出資し、パートナー名義で企業を立ち上げるということが挙げられます。 飲食店等はこの様な形で多くの進出を見る事が出来ますが、こういった進出は確かに一見、外資のように見受けられ、屋号もそれらしい名前を名乗ってはいます。しかし、本質的な部分で名義はローカルパートナーに握られている形と成っており、表面的には問題がない様に見えても、リスクを回避するには余程の内部的なオペレーションを行わない限り、いつ何どき想定外の事が起きる可能性は否定出来ません。

常にパートナーのチェックを

こうしたベトナム人経営者の特性として、多くは業績が芳しくない時には余り口を挟む事もなく大人しく指示にも従っておりますが、逆に業績が上昇し利益が出始めて参りますと、自身の処遇や立場を強く主張。オーナー側への要望や経営自体に口を挟む様に成って来る事がしばしばあります。 このような事は既に想定の範囲内として理解されておりますが、社内でのオペレーションが余りにも効かなくなり、事業自体に支障を来たしているケースが散見されています。 長年共に経営を行って来たパートナーであったとしても、乗っ取りに遭ってしまうという危険性は否定出来ません。常にパートナーの言動や動向を観察し続ける事は必須であると思われます。 現実的に、法的には投資家のモノではなく、名義上パートナーのモノでございます。例え、所有権を主張したとしても、この国ではナニも出て来るモノはありません。細心の注意と心配りだけはお忘れなく、運営して頂ければと思います。
河原 光伯 かわはら みつのり 15年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA事業に従事。AGSホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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