こどもの学び舎／⑫今年こそ絶対、私が刺しゅうコンテストで優勝するよ！

ホーチミン市中心街からタクシーに揺られること30分。8区の縫製センターを訪れると、女の子たち7人が先生にアドバイスをもらいながら、真剣に刺しゅうに励む姿があった。

同センターは女性の自立支援の一環として縫製や刺しゅうの技術訓練を行うため、FFSCが運営している。フランス人ボランティアがデザインしたバッグや名刺入れ、テーブルクロスなどを女性たちが縫製し、11～16歳の女の子たちが刺しゅうを施す。製品はベトナム国内にとどまらず日本国内の各地でも販売され、収益金の全てが同センターで働く人々の貴重な収入源となっている。

2012年「アジアの文化を守り育てる会」主催の刺しゅうコンテストでは、最優秀賞を２名も輩出したという。

2013年9月に開催予定のコンテストに参加するという11歳のハン（Han）ちゃんは、「去年初めて出たけど、優勝できなかった。たくさん練習して今回は優勝したい！　家に帰ってから、ベトナムらしいデザインを考えるの」と、意気込みを語ってくれた。

今日も学校帰りに立ち寄ったという彼女は、疲れたそぶりなど全く見せずに、真剣なまなざしで作業に取り組んでいた。