ベトナム人経営者の気質/第12回 ベトナム人は 日本人経営者をどう見るか

ベトナム人経営者の気質/第12回  ベトナム人は 日本人経営者をどう見るか“ 経営者たるもの厳格であるべき”

「ベトナム人が日本人の経営者をどの様に見ているのか?」という部分は、気にしておられる方も少ないと思うのですが、一言でいってしまえば「厳格な方」というイメージが正解なのではないかと思われます。 日本は戦後大きく復興を遂げ、敗戦のドン底から急速な経済成長と共に、世界でも有数の先進国の仲間入りを果たしております。 日本人自身は、周囲から言われるほど、そういったことを誇りとして持つ様な意識も余りないことから、見知らぬ人と友好を深める際には、自らサービス精神を出して打ち解けようと努力し、通常では行わない様な言動で人を笑わせたり、妙に馴れ馴れしく振舞う様な部分を持っています。 しかし、ここベトナムでは「厳格」というイメージを持っている相手に対して、その様な言動に出ることは、逆にマイナスに働く場合が多々あります。

友好的な振る舞いが仇になる

ベトナム人経営者からすれば、海外に進出して来る程の外資系企業の社長は、余程の成功者であり、容易に隙を見せたりしない人種だと考えています。安易な交渉に乗って来る様なことはまずなく、理路整然と自らの意思を伝え、誠実で、かつ断固たる決断を示す事が社長の姿だと考えているのです。 そんな人達の前で、普段行わない様な言動により、逆に“組易し”と判断されてしまうと、後々の交渉に間違いなく影響が出て参ります。これは唯でさえ計算高いベトナム人経営者の、生き馬の眼を抜くほどの狡猾な性格を引き出すきっかけと成ってしまう場合もあります。 ベトナムでは、相手に易く見られることほど、後々の挽回が難しいことはありません。当初より友好的に振舞うことが悪い事ではありませんが、相手に舐められてしまう様な安易な言動に付きましては、慎まれることをおすすめ致します。
河原 光伯 かわはら みつのり 15 年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA 事業に従事。AGS ホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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