ベトナム人経営者の気質/第8回 利益独占の思考②/~独占契約、その心は~

ベトナム人経営者の気質/第5 回  条件交渉の姿勢/~綺麗な花には刺がある~商品価値を高めるブランド力

海外では日本製であるというだけで、市場での商品評価が高くなるのは、ご存知の通りです。日本でも同じ種類の商品が多く並んでいるスーパー等に行くと、安価でよく知らないメーカーの商品は敬遠しがちで、やはり少しくらい高くとも、実績のある有名メーカーの商品を手に取ることがほとんどなのではないでしょうか? ここベトナムでも同じことが言えます。一般的にはまだまだ高価な海外製品ではありますが、評価の高い、実績の確かな商品を手にしたい、使用したいと考える一般市場の願望は、ベトナム国内にも強く充満しています。

大量消費時代に備えた独占販売

ベトナム人経営者の多くは、現在のベトナムの経済成長と近年の急激な最低賃金などの上昇から、今後のベトナム国内における大量消費時代の到来を期待しています。チャンスがあれば、他社の取り扱わない海外製品を、今の内に増やしておきたいと考えております。 そのため、輸入販売を取り扱うローカル企業との条件交渉では、「独占輸入販売権」という厳しい条件が付けられる事がほとんどです。 しかしここで問題になって来るのは、年間の販売計画やマーケティング計画も提出されないローカル企業と、「独占契約」が結べるのか?ということです。 大手の某輸入卸企業ですら、「弊社の販売網に乗せて継続的な販売を行っていきますので、信頼して下さい。まずは『独占輸入販売権』の締結が条件です」と切り出してきました。 ローカル企業側がその製品を売るために、営業やマーケティング活動に特別な力を注ぐという都合の良い話は、まずないと思われます。 本気で売る気があるのかどうかも判らないローカル企業との「独占契約」だけは、ベトナム国内での内販重視で進出を目指す外資系企業からすると、胃の痛くなる話で御座います。
河原 光伯 かわはら みつのり 15 年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA 事業に従事。AGS ホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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