ベトナム人経営者の気質/第5 回 条件交渉の姿勢/~綺麗な花には刺がある~

ベトナム人経営者の気質/第5 回  条件交渉の姿勢/~綺麗な花には刺がある~流れを逆走するバイクのように

日本人が訪越してまず驚くのは、ベトナムの活気と喧騒です。街には多くの人が溢れ、我先に、時に逆走してでも人より先に、自分自身の進みたい方向へ進もうとする姿は、ベトナム社会を反映する一面ではないでしょうか。 日本人から見ると、「なんて危ない運転をするんだ!?」と感じることと思いますが、この様なベトナム人特有(?)の気質というのは、経営者の中にも熱く流れており、一見スマートに見えた経営者の方でも、流れに逆走してでも自己の「利益」を強く追求する姿を見ることが出来ます。 そんな熱い部分を誰もが持っているこの国で、特に提携等の場合に気を付けたいのが、「条件交渉」の問題です。 日本人は、どの国と比較致しましても基本的に穏やかで、相手への思い遣りや理解を大切にしようとする「和」の精神を持った国民です。相手を完全KO することを良しとせず、共に歩む道を「より良い」選択肢とすることもしばしばです。条件交渉ではお互いが損を取り合い、将来的な利益を共に追求しようとする場面が見られます。 一方、ベトナム人経営者には、「損をしてでも…」という思考は、余程のことでもない限り「無い」と断言出来ます。重要なのは「安易な条件交渉は行わない」ことです。

日本の感覚でのビジネスには注意

前回お話致しましたが、「歓待付きの面談」は、歓待を受ける側として、勿論気分の悪いものでは有りません。ましてや海外での思わぬ現地人からの歓待は、日本にいる時には考えられない程、警戒心や緊張感を解きほぐし、懐を緩くしてしまう傾向にある様です。 ベトナム人経営者からすれば、これは自社を選択してもらうための1つの手段であり作戦です。緩くなりがちな懐に飛び込み、あわよくば情報を引き出そうという強かさを持っております。 流れに逆走してでも自分の道を進もうとする人達が、友好のしるしだけで歓待するのではないことは、十分ご理解下さい。
河原 光伯 かわはら みつのり 15 年間会社員を務めた後、中東・ヨルダンにてJICA 事業に従事。AGS ホーチミン事務所で営業・労務・ビジネスマッチング担当。 http://ags-vn.com
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