29屋的越南恋愛コラム／「わたし馬鹿よね～。／ダメなベトナム男にホレちゃった『あなた』に」／第13回

愛で育てる「イイ男」の原石？ →ムズカシイなんてもんじゃないぜ！

『マイ・フェアレディ』のヒギンズ教授や、光源氏（ジャニーズじゃない方）を例にとるまでもなく、“ダイヤの原石” を自分の手元に置いて「理想の異性」に育てあげたい願望を持つ男女は結構多いとボクは思う。何もそれは、水商売のおねえちゃんに鼻毛を抜かれているビジネスマン諸氏に限った話ではない。社会＆恋愛経験も人並みにあるはずの大和撫子たちでさえ、理性のタガをすっ飛ばして変な男にハマってしまうことがあるのが、外地での暮らしの恐ろしいところだ。たとえばタイやマレーシアのリゾート地では、日本女性を口説いては金を貢がせる現地ジゴロ、いわゆる「ビーチボーイ」が有名だし、一昔前のベトナムでも人気俳優がシクロ運転手を演じたドラマのおかげ（＝せい？）で「何か」を激しく勘違いした日本女性が、堅気のベトナム人の白眼視をものともせずにシクロやバイタクの兄ちゃんたちと激しい恋を繰り広げていたものだ。もちろん、その中には愛を育てて結婚し、今なお立派に生計を立てている、ごく稀な成功例もいることはいるが、そんなのは例外中の大例外。ほとんどは、自分の貯金を食いつぶされたあと、親兄弟親族友人知人からのお金と信用を切り売りしてまで養ったにもかかわらず、大ゲンカの末別れる仕儀に至っているケースがほとんどだったという。

美しい花にはトゲがある →トゲのある花は美しいという逆説

ひるがえって、現在。ベトナムが経済発展して、真っ当なベトナム人男性との出会いの場も増え、わざわざ道端で声をかけてくる汗臭い雲助どもに引っかかる、おバカで寂しい日本女性の数は少なくなってきたものの、形を変えた「ダメなベトナム男＆尽くす日本女子」的なカップルが登場してきている。男性の職業は「自称」を含むミュージシャン、起業家、デザイナーなど、ハデなギョーカイを匂わせるもの。ヤクザ商売の人間に特有の「意味不明な自信＆ハッタリ＆魅力」、加えてベトナム男の基本性能である「マメさ＆人なつっこさ」が、日本を飛び出したばかりで物珍しさと人恋しさがMAX なお嬢さんのココロの経絡秘孔をピンポイント打撃し、コロっとイカレてしまうケースが意外と多いらしい。だが、こういう別世界に生きている人種は、一般人の手には負えないものだ。成功者は金を持ってる分だけ「狂」の振り幅が大きいものだから、自分も「常識はずれ」にならないとついていけない。一方、「未」成功者＝「いつかBIG になってやる」というドリーマー相手に、いつまでもATM や姐さんニョウボウを気取っていられるような金銭＆精神の余裕のある女性も、そう多くはないはずだ。盲目的犠牲なガッツが、必ず報われるとは限らないので、くれぐれもご用心召されよ。