ベトナムのこんな法律/ベトナムにおける/債権回収に関する留意点

ベトナムのこんな法律国内の景気低迷の影響もあり、ベトナム企業を相手とした債権回収問題が多々見られます。債権の金額も数千から数千万ドルと幅広いのが現状です。 債務不履行の理由は、契約対象物の品質を巡る紛争、債務者の資金繰り、ベトナム人特有のマインドセットに基づくものなど、種々の要素が入り組んでいます。 債権回収問題が生じた場合、債務者との任意交渉に基づく追加担保等の提供や代物弁済のほか、裁判所で債権保全処分(債務者の財産の仮差押や債務者の銀行口座の凍結等)を求めたり、管轄を有する裁判所の判決や仲裁機関での仲裁判断を得たりすることが可能です。ただ、裁判や仲裁手続きは時間や費用がかかることが多く、また判決や仲裁判断の執行の場面でも様々な困難を伴うことが多いのが現状です。 そのため、債権回収問題の発生を未然に防げるような仕組み(ペイオンデリバリーは極力避け、段階的な支払いを求める)の導入や契約段階での事前の担保の確保、売掛債権の回収に関する保険(取立信用保険)を活用する等の方法が強く推奨されます。ビジネスを始める際、急いで契約締結を行う必要がある場合も多いかと思いますが、特に新興国においては、将来の紛争リスクを充分に踏まえた準備が事業の成功の鍵となると考えられます。
永田 有吾 ながた ゆうご 平成9年慶應義塾大学卒。日本国弁護士・ベトナム外国弁護士。TMI総合法律事務所ホーチミン支店勤務。ベトナム、カンボジア、インドネシア、ミャンマー等における会社設立、M&A、労働、紛争案件等を担当。
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