29屋的越南恋愛コラム/「ベトナム妻が離婚を決意する/ハードルが異様に低いのはなぜか?」/第08回

29屋的ベトナム恋愛コラムふりむかない&ためらわない? 光の速さで離婚へダッシュ!

ダンナの浮気、酒癖、性格の不一致、その他諸々。かつて愛し合った2人が離婚を決意する原因は数多あれども、育ってきた環境が違う日越カップルは尚更その火種になるものが多い。 ユダヤの格言で「結婚へは歩け、離婚へは走れ」というものがある。前半部分については、「結婚するなら、相手の心根や経済観念や性癖など、じっくりと吟味しろ」ということ。そして後半部分については、「ともに暮らした年数に応じて親権や財産分与や世間体など、さまざまなしがらみが生じているだろうから、それを断ち切るには荒業・力業も必要になってくるので、多少の被弾を恐れずに迷わず一気に走りぬけ」ということなのだろう。 それは確かに、そうだ。しかし、その離婚を「決意」するまでの突っ走り方を比べると、ベトナム人の場合、迷いや躊躇や辛抱が圧倒的に少なそうなのは、果たして何故なのか?

「愛とは平和ではない。戦いである」Byネルー

日本では今も昔も、結婚を「ゴールイン」などと呼ぶ風潮があるのだが、これは如何なものだろう? 世紀の大恋愛の末に結婚した者同士だろうと、一緒に暮らして初めて見えてくる相手のイヤなところもあるものだし、「恋は盲目」が「目明き」になるまでのサービス期間は、そう長くはない。その結果、大小さまざまな衝突が起きるのは、ごく自然な成り行きだ。 言ってみれば、結婚とは「ゴール」ではなく、お互いの価値観・人生観をぶつけあうことで磨きあげる、温かくも厳しい闘いの日々の始まりであり、そういう意味ではむしろ「門出」という表現こそがふさわしい。ましてや、衝突の種の多い異文化間結婚とくれば、言うを待たない。 思うに、『死がふたりを分かつまで』的な宗教的誓約がない場合、愛情がなくなってもなお、別れない夫婦が「離婚をためらう一般的な理由」とは、①経済的に困る、②子どもがかわいそう、③世間体が悪い、というのがトップ3ではないだろうか? 特に日本の場合、女性の社会進出が盛んになってきているとはいえど、専業主婦からビジネスの第一線に復帰するための障壁は並大抵のものではない。 しかし、ここベトナムでは大昔より女傑が政治・経済を動かし、大家族が子どもの面倒を見て、隣近所にも離婚→出戻りが溢れている。つまり、日本であれば「忍」の一文字で心を殺して耐え抜くケースでも、ベトナムならばガマンせずに離婚まで突っ走る環境が整っているのだ。まさにリアル「黒ひげ危機一発」である。 「火事」をボヤのうちに消すどころか、「可燃物」を見つけ次第、冷水をぶっかける心構えこそ、日越夫婦の日側に必要なのではないだろうか。ガッツ!
29屋(にくや) 食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。 http://blog.livedoor.jp/info29
関連記事
Related Articles
ゆるく、楽しく、気軽にフットサルサイゴン蹴球部
2024.10.20

ゆるく、楽しく、気軽にフットサルサイゴン蹴球部

会員急増中! 和やかな卒業生会!ハノイ三田会(慶応大学同窓会)
2024.10.20

会員急増中! 和やかな卒業生会!ハノイ三田会(慶応大学同窓会)

お気軽にご連絡下さい東京都民会
2024.10.20

お気軽にご連絡下さい東京都民会

東北6県に縁のある方であれば、 どなたでも参加可能ですサイゴン東北六魂会
2024.09.20

東北6県に縁のある方であれば、 どなたでも参加可能ですサイゴン東北六魂会

集え!  東海大学卒業生! 留学生!東海大学同窓会ベトナム支部
2024.09.20

集え! 東海大学卒業生! 留学生!東海大学同窓会ベトナム支部