第69回 他人事ではない性病

メディカルトーク症例

30代の男性が排尿時の痛みと、尿道からのクリーム状の分泌物があると来院。男性は不特定の女性との関係をもっており、検査の結果、淋病と診断された。抗生物質の注射により症状は改善した。

今回のドクター

寺川偉温(いおん)内科医、消化器科専門/ファミリーメディカルプラクティス・ホーチミン
①「性病(STD)」とは? 性病(性行為感染症/Sexually Transmitted Disease)といっても、実は色々な種類があります。症状がはっきりと出るものから、無症状のものまでさまざまです。性交渉でうつる代表的な病気として「淋病」、「クラミジア」、「ヘルペス」、「梅毒」、「B型肝炎」、そして「ヒト免疫不全ウイルス(HIV/Human Immunodeficiency Virus)」などが挙げられます。B型肝炎やHIVなど、症状が出るまでの潜伏期間が数ヶ月のものから、HIVなど、無症状で何年も感染が続くものまであります。 ②主な原因は性交渉 基本的に、性交渉で感染します。不特定の異性と性交渉をもつことが原因となり、その結果、夫婦間でさらに感染して広がることがあります。「オーラルセックスなら大丈夫」と思う人もいるようですが、クラミジアや淋病などはオーラルセックスでもかなりの確率で感染します。 ③無症状の場合もある女性の性病 男性の場合は排尿時の痛みや分泌物、陰部周囲の皮疹や潰瘍、痒みといった症状がほとんどです。女性でも男性と同様の症状は見られますが、クラミジアなどの感染においては80%の女性は自覚症状がなく、気がつかないといわれています。女性の場合は、無症状のまま感染が続いていると、不妊の原因となる場合もありますので注意が必要です。 ④予防にはコンドームの使用が大切 不用意な不特定の異性との性交渉を避けるのはもちろんですが、コンドームを使用することが重要です。 ⑤症状はなくても定期検査を 自覚症状がなくても、定期的に性病の検査を受けることをおすすめします。特に、過去に不特定の異性と関係をもった経験がある男性は1度検査を受けましょう。
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