29屋的越南恋愛コラム/「日越男女、ヤキモチについての/価値観の違いをどう乗り越えるか?」/第03回

29屋的越南恋愛コラムまともにぶつかったら 勝ち目なんかあるわけない

ベトナム女性の情の細かさを語るとき、恐るべきデメリットとして日本人男性を恐れさせているのが、その「嫉妬心の執念深さ」である。携帯電話の履歴やメールの全チェックは当たり前。飲み会・接待のスケジュール事前申告や、その真っ最中の定時連絡は神聖な義務であり、万が一でもそれを怠ろうものならば、血の惨劇が繰り広げられることになる。 彼女たちの言い分としては「ヤキモチを妬かない=相手に関心がないってことでしょ? チェックされて困ることでもあるの?」。 日本であれば間違いなく「ウザイ」レベルなのだが、「そんなに俺が信用できないのか?」と反論したところで、余計に怪しまれるのがオチだ。では、いったい、どう戦えばいいのだろうか?

「緑色の目をした怪物」を 飼い慣らす方法とは?

英語の慣用句でヤキモチのことを「グリーン・アイド・モンスター」、つまり「緑色の目をした怪物」と例えるらしい。これは、かのシェイクスピアの悲劇『オセロー』の作中、悪役イアーゴーが上官であるオセロー将軍を疑心暗鬼にさせようと、「あんたの嫁さんが、あんたの副官と浮気してまっせ」とデッチ上げるにあたり、忠義顔でささやいた、こんな台詞から来ているそうだ。 「お気を付け下さい、将軍、嫉妬というものに。それは緑色の目をした怪物で、ひとの心をなぶりものにして、餌食にするのです」。 この場合、実にイアーゴーが周到なのは、オセローが妻に贈ったハンカチを盗み出して副官の部屋に置いておくなど小細工をいくつも重ねて、話に信ぴょう性を加えた上で、「ヤキモチは焼いちゃダメですよ」と、一見正反対の忠告をしているところである。人の心は厄介なもので、「やれ」と言われたことはやりたくなくなるのに、「やるな」と言われたことは逆にやってみたくなる性質をもっているもの。貴男の日常生活で会議中や葬式など、「シリアスな場面で笑いが堪えられないとき」を思い出して欲しい。「笑っちゃダメだ」と思えば思うほど、余計に笑いが止まらなくなって困ったはずだ。スイカに塩ふって甘味が増す如く、プレッシャーがかかったら反発するのが人間心理というものではないだろうか。 だからこそ、逆転の発想が生きてくる。貴男が本当に潔白であるならば、彼女のヤキモチに真っ向勝負を挑むのではなく、むしろどんどん煽ってやればいい。例:「ふっふっふ、そんなに俺のことを愛しているのかい? ヤキモチ妬いちゃってカワイイね、仔猫ちゃん」。 貴男がハンサムであればデレてくれるし、その逆ならバカバカしくなって余計な心配をしなくなる…かもしれない。ガッツだ!
文/29屋(にくや)食材&弁当屋の店主。本業の傍ら、かつては「29屋に訊け!」など本誌人気コラムを担当。本コーナーでは、ベトナム恋愛模様をちょっぴり辛口、ときどき優しく(!?)、生あたたかい目で考察する。
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