ハロン湾水上村を訪ねて 海に生きる 海を生きる |
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近所の親戚も集まって、みんなで一緒にとる朝食 |
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漁から養殖へ 海でより豊かに生きるために
水上村の食事は魚貝が中心。海の魚の値段が高いと口を揃えるハノイっ子が見たらびっくりするような、豪華なシーフードが毎日食卓に並ぶ。食事は1日2回。イカ釣りなどの夜の漁に出ていた頃、漁に出る前の午後3時頃と、帰ってからの朝8時頃に食べていた名残りだ。生活の基盤が養殖業に移った今も、この習慣が続いている。
食習慣に影響を与えなかった漁業から養殖への転換も、その他の面では大きな変化をもたらした。水上村で養殖業が盛んになったのは1990年代後半のこと。ベトナムが著しい経済成長を遂げ、ハロン湾が世界遺産に指定された時期と重なる。もともと、波が穏やかなハロン湾は養殖に適していた。そこへ、観光客や都市部の住人など、シーフードを求める人々が急増したことが、養殖の発展を大きく後押ししたのだろう。しかし、もっとも大きく発展に寄与したのは、村びとたち自身の努力だったという。みずからノウハウを学び、利益率の高い魚を探し、効率的な養殖方法の模索を続けたのだ。海外の援助や企業の手をほとんど借りることなく、自力で貧困から脱出したモデルケースとして、ハロン湾の水上村は高く評価されている。海がだめなら陸に上がる、というのではなく、いかにして豊かに海を生きるかを求めた、村人たちの勝利といえよう。
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養殖のかたわら、イカ漁を続ける家庭も |
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漁場を求め、陸から家船でやって来た一家 |
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家船で来て村で漁をするよそ者に対し、村人たちは漁場を荒らされていると感じないのだろうか。村長によると、「海はどうせ続いているんだから、村内で漁をしようと村外でしようと同じこと」とのこと。彼ら本来のおおらかさからくる発言なのだろうか。それとも、養殖で十分な利益を得ている余裕からだろうか。
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村内の岩場のあちこちで牡蠣を獲ることができる。スープにして食べる
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魚の養殖と時を同じくして始まった真珠の養殖も、村の生活レベル向上にひと役買っている
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360度を海に囲まれた水上のレストラン ビエンモー/Bien Mo
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ホンガイ(Hong Gai)近くの海に浮かぶ水上レストラン。ローカルなので、おしゃれな雰囲気とは無縁の店だが、魚介類は新鮮でおいしい。自前のいけすに、水上村や移動漁師から仕入れた魚貝を入れ、客が選んだものを指定した調理法で料理してくれる。ハロン市場の近くに送迎船の専用発着所があり、店に電話すると迎えに来てくれる。
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(手前から)「ハタの蒸し物/Ca Song Hap」44万8000ドン(約2600円)/1.6kg、「蒸しイカ/Muc Ong Hap」30万ドン(約1710円)/1kg |
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(2009年04月号 | 2009年5月27日 水曜日 18:47 JST更新) |