ベトナムとフランスが出会う街
フレンチハノイ |
フランスの香りを感じたい
フレンチにハノイを街歩き
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「現代詩や現代絵画にフランスの強い影響を感じます」
ウベール・オリエ
フランス文化センター所長
1956年、パリ生まれ。2005年来越。
植民地時代にフランスがハノイに設立したハノイインドシナ美術大学(Ecole des Beauw-Arts de l'In-dochine)では、フランス絵画の技術や理論を導入するだけでなく、漆絵などのハノイの伝統工芸をアートに取り入れることにも積極的でした。そのため、よい意味での2つ文化の融合が進んだと思います。それが現在のハノイのアートシーンや、土産物の雑貨のクオリティーの高さにも表れているのではないでしょうか。当センターでは、博物館設立プロジェクトなど、ベトナム文化発展への協力を、現在も政府主導のもと行っています。 |
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「フランスでは出会えない食材がたくさん」
グレゴリー・レグロ レストラン「カフェデュラック/Cafe du Lac」 パティシエ
1976年、フランス北部カンブレ(Cambrai) 生まれ。2007年来越。
マカロンやプリンはフランス植民地時代の産物ですが、ケーキはアメリカの影響が強いですね。フランスでは、1つの菓子に2つの香りと3つの食感を取り入れるのが基本です。その点、ハノイの洋菓子はフランス人からすると単調に感じます。でも伝統的なハノイの菓子は私には刺激的です。現在私が作るほとんどの菓子に、ベトナム産果物や香辛料などを取り入れるようにしています。ここでしか味わえないものを味わってほしいので。今後は蓮の実のあんや、少数民族の香辛料なども取り入れていきたいですね。 |
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「フランス風の建築でも風水が優先」
セバスティアン・スイリ
建築デザイナー
1977年、フランス南部ロデズ(Rodez) 生まれ。2000年来越。
ベトナムで最初に戸惑ったのは風水ですね。フランスではすべての配置やサイズは機能性を優先させ、次にデザイン性を考慮することがほとんどです。だから、利用者の身長をもとに割り出す理想的な段差のサイズも、ベトナムでは風水が優先です。ベトナム風水では、階段にこめられた意味が、1段目が「生」、2段目は「老」、3段目は「病」、4段目は「死」であるため、段数は4で割って1段余るように作らなくてはなりません。フランス風の建築でも、構造などに「?」な部分がある場合、風水が関係していることが多いんですよね。 |
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「同時代のフランスよりモダンな建物も」
フランソワ・カルレ・スーラージュ
写真家
1978年、パリ生まれ。2002年来越。
最初ハノイへは旅行で来たんですが、森や湖が点在する街の景観や、四季の移ろいを感じられる気候に惹かれて住むようになりました。フランスを感じさせる景観としては、リートゥオンキエット(Ly Tuong Kiet)通りのハノイ公安病院(Benh Vien Cong An Ha Noi)がいいですね。典型的なアールデコ様式の建築ですが、同時代のフランスのものよりもモダンなのではないでしょうか。でも私の写真のテーマは都市や社会の変化にあるので、歴史を感じさせる建造物より、急速に変貌を遂げている郊外に被写体としての魅力は感じますね。 |
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スケッチトラベルで行く!
半日市内観光 プチパリハノイ
ソフィテルメトロポールハノイで過ごす 1泊2日プラン
(2008年11月号 | 2008年11月28日 金曜日 17:44 JST更新) |