少数民族文化の宝庫
ディエンビエンフーからムオンライへ
ベトナムで少数民族の人々と触れあう旅というと、まずサパ(Sapa)が思い浮かぶ。しかし、ディエンビエンフー周辺にも多くの少数民族が住んでいる。特に隣接するライチャウ(Lai Chau)省は、20以上の少数民族が住み、省の人口の9割以上を占めている。しかもあまり観光化が進んでおらず、民族衣装に身を包んだ人々が、普通に地方都市の生活を営んでいる姿が垣間見られ、それがかえって旅情を誘ってくれるのだ。
街中でも鮮やかな衣装をまとった女性たちに出会えるが、お薦めはディエンビエンフーからムオンライ(Muong Lay)の町へ向かう、国道12号線の100kmほどのドライブだ。少数民族の村を訪ねるにはトレッキングが必要なサパに対し、こちらは道路沿いに現れては消えるさまざまな民族の村々を、車窓から楽しめる。棚田で農作業に励む女性、庭先でミシンを踏む少女、川で魚獲りに興じる子供たち。そんな、本当の意味での「生活」に出会える約3時間の旅にぜひ出かけてみよう。
■ムオンライに泊まりたいなら
ホテルは1軒のみ。ディエンビエンフー方面から向かうと、ムオンライの市場を抜け、右折してすぐ。田舎のホテルなので多くは望めないが、部屋は清潔でレストランの料理も悪くない。全60室。室料は10〜30US$。
ホテル名:ランアインホテル/Lan Anh Hotel
住所:Muong Lay, Dien Bien Province
電話:(084) 23852370 / 23852298
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■時間のない時は
ムオンライまで行く時間がない、という人は、手前の町ムオンチャー(Muong Tra)で折り返す方法もある。片道約2時間。なお、この街にもミニホテルが1軒あり、自転車旅行を楽しむ欧米人などが時折泊まる。
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■ヘルメット着用は無理!?
少数民族のヘルメット対処法
2007年12月、ベトナムではオートバイ乗車時のヘルメット着用が義務付けられた。違反をすると罰金20万ドン(約1330円)。当然、この新しい法律は山岳少数民族にも適用される。そこで問題になったのが、黒ターイ族の既婚女性たちの髪型だ。彼女たちには長い髪を赤ん坊の頭ほどもある大きなお団子に結う習慣がある。民族の象徴ともいえる髪型を、ヘルメットのためにやめるわけにいかないのだ。結局彼女たちは、髪型を変えないままヘルメットを着用。そのためディエンビエンフー周辺では、頭の上にちょこんとヘルメットを乗せた女性たちが颯爽とバイクにまたがる姿を見られるようになった。頭部の保護というヘルメット本来の役目は失っているが、大切な髪型はしっかりと守られている!?
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■ご注意!!
「旧ライチャウ」と「新ライチャウ」!?
ムオンライはもともと「ライチャウ」と呼ばれ、改訂が遅れているガイドブックには、現在でも「ライチャウ」と記されている。2004年、旧ライチャウにあった行政施設が新たにできた街に移転、地名も移転先をライチャウに変更。それにともない元来ライチャウとされてきた街は、ムオンライと名前を変えた。通常、外国人旅行者が訪れるのは旧ライチャウ(現ムオンライ)のため、外国人が「ライチャウへ行きたい」と言っても混同されることは少ないが、バスなどの公共交通機関を利用する際は要注意。なお、双方の街は約100km離れている。
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