カイディン帝廟(応稜)
欧風好みの皇帝がつくった新時代の廟
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カイディン帝廟の特徴は、欧風の様式を取りこんでいるところ。それがよく表れているのは、内装の豪華な啓成殿だ。 |
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(左)啓成殿にある帝の等身像はフランス人が制作。また頭上の天蓋はコンクリート製、飾りの花は鉄製と、欧風&先進ぶりは徹底的。
(右)啓成殿の左側の壁には、日本のビール瓶がモザイク画に使われている。瓶のかけらは、梅の木に見ることができる。 |
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帝「この帝廟、建物はコンクリート製である。フランスに惚れたカイディン帝(中国志向の予と反対だな)は、セメントを輸入した。他にもガラスは日本、陶磁器は中国と、資材は多国籍であるぞ。完成は1931年、当時の最新技術が取り入れられているわけだ」
漁「だから帝廟の奥の啓成殿(けいせいでん)じゃあ、皇帝さまの等身像やモザイク画が輝いているわけですな」
帝「だが伝統もちゃんとある。天井を見よ、9体の龍がいる。龍は皇帝の象徴で――」
漁「9は縁起がいい。王宮の大砲も9門でしたね。中国風の王宮に始まり、フランス風の帝廟で終わる。グエン朝の歴史で変わらないのは皇帝さまの威厳、というわけで」
帝「うむ、予の話を聞いてそう思ってくれるなら嬉しい限りであるぞ」 |