近場で大規模・カイラン
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左下)Thuちゃん、中下)Vanさん |
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左下)Danhさん |
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メコンデルタの中心に位置し、国道と川が交差するカイラン(Cai Rang)の町は、数あるメコンデルタの水上マーケットの中でも最大級。カントー市内の船着き場からボートで約30分ととても近い。通常、水上マーケットを見るのに最適の時刻は午前6時だが、ここならピークを超えた8時過ぎでもまだそこそこのにぎわいがある。
〜賑わい〜
水上マーケットで売り買いされるのはコメ、野菜、果物、そしてベトナムの正月テト(Tet)の直前にだけ扱われる花。大規模な卸売り市場のカイランでは、大型の船が多く、1艘ごとに積まれている商品は種類は少ないが大量。あふれ出しそうなほど荷を積んだ大型船と、それに群がるようにして集まる買い手の小型船。荷の上げ下ろしはすべて人力。せめぎ合うような騒々しさに見ているこちらも興奮する。船上に長い竿を立て、その先端に野菜や果物を吊るすのは、取り扱う品物を示す彼らの伝統的なやり方。船がアクセサリーを着けているようで、なんだか楽しい光景だ。
〜住み家〜
カイランは休むことのない市場。ここに来ればいつでも船を見られるが、停泊しているすべての船が仕事中とは限らない。船そのものを住みかとする人が大勢いるのだ。
1年を通してパイナップルを卸しているという一家は、果樹園から1度商品を仕入れると、それを3日ほどかけて売りさばき、その間家には帰らず、ずっと船の上で過ごすという。ほとんど水上生活と言っていいが、さして不自由そうには見えない。「パイナップルはいつでもある果物だし、値段が安定しているから売りやすいの。船は自分たちの持ち物で、うまく使えば10年くらいもつわ」と一家の母親は笑顔で話してくれた。家族が元気で仕事も安定していればそれが一番、ということなのだろう。
■トゥーパイナップルを卸売りする船の娘 "Thu(トゥー)ちゃん"
「小さいから仕事はうまくできないけど、お客さんとおしゃべりして仲良くするのが今の私の役目かな。」
■ヴァンフーティウを売る "Van(ヴァン)さん"
「(右)夫婦で毎日朝はフーティウ、午後はバインセオを売ってるよ。労働者相手だから安くてボリュームがないとね。」
■ヤン船で生活し卸売りする "Danh(ヤン)さん"
「この商売は気楽だから気に入ってるよ。金が貯まったらもっと大きい船を買って同じように続けていきたいね。」
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