<ハノイ旧市街訪問、古の街の職人たち>
カウゴー通り
[PHO CAU GO]
ホアンキエム湖の北側に位置し、古くは貯水池が数多くあった地域を貫くカウゴー通り。その昔、旧市街にあったハンダオ(Hang Dao)という湖からホアンキエム湖へと通じていた小川に、一本の木橋が架かっていた。そして、後にその場所の池や川を埋め立てて道を作ったことから、木橋(カウゴー)通りと呼ばれるようになったという。
現在、旧市街のアオザイ屋街としては、ルオンバンカン(Luong Van Can)通りが有名だが、実はこの通りには知る人ぞ知る3軒のアオザイ屋がある。
<アオザイ職人>
好きでなければ、
人生をアオザイ作りに捧げたりはしない。
My Hao (76歳) 1930年ハノイ生まれ
|
|
|
|
ベトナム政府の官僚たちも、彼の店へ仕立てにくるとか |
|
|
|
|
|
アオザイの作り方を父親から学んだというハオさん。アオザイは、生地、仕立て代込みで20US$〜50US$ |
|
アオトゥータン(Ao Tu Than)とよばれる伝統衣装から、現在のアオザイのデザインが考案されたのは1930年代のこと。今ではすっかりベトナム全土に定着し、まるで何百年もの歴史を持っているように思えるが、アオザイの歴史は意外に浅い。
そんなアオザイの仕立てを専門とし、14歳から仕立て職人としてアオザイ一筋に生きてきた人物がいる。それがカウゴー通りに店を構えるハオ(Hao)さんだ。
彼の家系は代々アオトゥータンやアオザイなどの伝統衣装を手掛けてきた仕立て屋一家。しかし、現在の場所に店を構えたのは、ベトナムが独立を果たした1945年からのこと。戦後の混乱期から旧市街に居を構え、かつては40名ほどもの従業員を抱える大きな仕立屋だったという。しかし1986年、共産党第6回大会で採択されたドイモイ政策により、彼は店の規模を縮小することを余儀なくされ、現在は間口が1.5メートルに満たないような、小さな店舗となってしまった。
そうした歴史を踏みながらも、ハオさんはアオザイを仕立て続けて62年。現在は、同じく14歳からアオザイを仕立てている孫のティエン(Tien)さんが店を手伝っているが、ハオさんの腕前は衰えを知らず、昔なじみの客はもちろん、孫ほど歳の離れた若い人も多くやってくるという。
店名:My Hao
住所:82 Cau Go St.
電話:(04) 8256607
時間:7:00〜20:00 |