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「ワシの作る木枠は、ベトナム全土に出荷されているんだよ」 ノンラーを作る上で欠かせない、いや最も重要な道具と言えるのが木枠。1975年から、フーカム地区でこの仕事をしているヴィン(Vien)さんは、フエだけでなく、北から南まで、ベトナム全土にノンラー用の木枠を出荷している。 「この木枠はね、大体10年から15年は使える。売値は1個1万5000ドン(約105円)から2万ドン(約140円)。これだけ長く使えるんだから、決して高いとは思わないんだが、ノンラーの編み手の収入は少ないからねえ、値上げをするつもりはないよ。」 昔も今も、すべては手作業 すべて手作業で、12本の木片をまったく同じ大きさに仕上げていくのだ。それが終わるとノンラーの骨組みとなる竹ひごを通すための溝を刻んでいく。これももちろん手作業だ。「最近は目が遠くなったので、小さい溝は後をついでくれている息子に削ってもらっている。溝の大きさはきちんと揃っていないといけないんで、神経を使う仕事だね。」溝の数は17個と決まっている。しかし、普通のノンラーで骨組みとなる竹は16本しかない。実はお坊さんがかぶるノンラーだけは、一回りだけサイズが大きく17本の竹を骨組みに使うので、それにも対応できるように17個の溝が彫ってあるのだそうだ。 ベトナム全国から注文が来る 出来上がった木枠は、まるで1つの木のようにしっかりとしていて、梁を動かそうとしてもびくともしない。「木枠は注文を受けてから作り始める。1人で1日3個は作ることができるんだが、常に受注に生産が追いつかない状態なんで、毎日フル操業さ。特に5月から7月は、ノンラー職人の家の子供が夏休みのアルバイト代わりにノンラーを作るので、注文が増えるんだよ。」15年も使えるものを、息子さんと2人で毎日6個作っても生産が追いつかないというのだから、その人気ぶりが伺える。 実際、ヴィンさんの木枠作りの腕は、新聞やテレビでも時々紹介されるほど。 「この前は、はるばるメコンデルタのカマウからも、買い付けに来た業者がいたよ。」 父から息子へ受け継がれる職人芸 ヴィンさんには、4男2女、合計6人の子供がおり、1人の息子さんが後を継いでくれた。「伝統が受け継がれていくのは嬉しいね。フエのノンラーが有名なことは、もちろん知っているよ。そのノンラーを作るための要となるのが、この木枠だからね。フエのノンラーの評判を聞くたびに、誇りに思っているよ。」
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(2005年4月28日 木曜日 11:54JST更新) |
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