幾多の歴史を見守った、
仏領時代のシンボル
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大理石をふんだんに使った入り口ホールの大階段や、きらびやかな金色の装飾など、まさにフランス社交界の華やかさを形にしたかのよう。また、国会議事堂が作られるまでは、ベトナム国議会の議事堂としても使用された。 |
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ハノイのフランス建築の象徴とでもいうべきオペラ座。現在はハノイ市民劇場との名で呼ばれるこの建物は、その造り、その華麗さともに、Garnier(ガルニエ)が設計したパリのオペラ座を十分に彷彿させる一大建築だ。
1901年に工事が始まり、完成は1911年。フランスの威信を一身に背負う建物として建てられただけあって、約10年もの歳月がかけられた。幅30メートル、長さ87メートル、高さ34メートル。その巨大な建物全体には色とりどりの装飾が施され、正面に構えるイオニア式の列柱など、過度なまでの重厚な造りは、今も人々を魅了してやまない。
幾度の修理・改修を経験したが、1997年、フランス政府の協力を受け、オリジナルのデザインに修復。1945年8月19日、ホー・チ・ミン主席が日本の統治下からの独立を宣言した八月革命の舞台としても有名で、正面左側の門に「ここは、八月革命広場です」と書かれたプレートがあるのも、当時の息吹を伝えるものとして興味深い。
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