Black H'mong
黒モン族
藍と共に生きる、
一徹な染めの職人
黒い衣には様々な秘密が。
実は結構計算されてます。
サパ周辺に住むモン族の中で約53%を占めるBlack H'mong(黒モン)族。Cat CatやLao Chaiなど、比較的距離の近いところに多数住んでいることもあり、町中で最も多く出会うことのできるサパを代表する少数民族だ。
虫除けの効果と共に、緑生い茂る大自然の中で自分達の存在を確たるものにするために、周囲には無い黒に近い藍染めの衣装を着ていることから「黒モン」と呼ばれている。また、標高800mから1800mの高地に住む彼らにとって、黒い衣装は大切な保温の役割も果しているとか。藍染めの麻の上着にスカート、脚半と、ちょっと「くの一」っぽい衣装がどことなく凛とした雰囲気で、時には布地にロウを何十回とすりこみ、光沢をもたせた衣装も。また、藍染めと同じく、ロウケツ染めの高い技術を持っていることでも有名で、銅でできたヘラを使い細かな模様を生み出す、芸術性豊かな民族でもあるのだ。
サパの町中では「買ってよ〜」と、どこで覚えたのか日本語を駆使して商魂たくましく詰め寄ってくる。そんな姿に「正直もうウンザリ…」なんて印象をつい持ってしまうけど、実生活では衣装はもとより生活全般で精神的な伝統を重視。運がよければ村を訪れた際、祈りを捧げるシャーマンに出会うこともできるかも。 |