星が煌めく音が聞こえてくるようなハロン湾の静けさを味わいたい
太陽が沈んだ後、より深い静寂がジャンク船を包み込む。切り立った岩山に囲まれた入り江では、デッキで静かに話をしていても声の聞こえ方がなんとなく違う。同じ船に乗っている子供達と話していたら、突然彼らの声が近くの山の裏側から聞こえてきた。「えっ?」と顔を見合わせる私達。試しに子供達が自分の名前を叫んでみると、瞬時にかわいらしい彼らの声が何重にもなって戻って来る。こだまが返って来ているのだ。周りの大人達も次々と試してみる。ほの暗いハロン湾の上に、幾重にも幻想的なこだまが響く。
ふと気が付くと、頭上にはびっくりするほどたくさんの星々が瞬いていた。
昔から変わることのない、そんなハロン湾の神秘、静けさを、存分に味わうことができるのが、ハロン湾の1泊2日クルーズだ。「ハロン湾へは日帰りで十分」という風潮が強い。しかし「ハロンを見る」だけではなく、「ハロンを感じる」にはぜひ船上で1泊したい。
撮影年代不明。レストラン「LE TONKIN」(ハノイ)所有の古写真
(左)ハロン湾に沈む夕日 (右)日帰りから2泊3日までいろいろなジャンク船クルーズがある。これはHuong Hai社のもの
1955年に撮影されたBai Tho(バイトー)山からの情景。もくじページの写真は、ほぼ同じ場所から撮影した現在の様子。風景は今もほとんど変わっていない
クルーズ船は昼頃に港を出て、日帰り用の観光スポットへは寄らず、さらに奥へと悠々と帆を進めていく。奇岩にかこまれた静かな場所で船のエンジンを止めると、静かに打ち寄せる波の音や、鳥や蝉の鳴き声が聞こえてきて、しんとしたハロンの静寂に包まれる。
また太陽が地平線に近づく頃、目前に広がる空と海とハロンの奇岩は、様々な色に変化し始め、一時も目が離せない。夕焼けは「紅い」というイメージが強いが、日が沈んだ直後から空は緑、青へと変化し、やがて闇が辺りを支配する。ハロン湾が最も幻想的になる時間だ。
泊まって楽しむハロン湾が、 ますますポピュラーに
いくつもの会社が様々なジャンク船を就航させている中、今もっとも注目されているのが、この9月に登場する「ドラゴンパール号」。キャビン数は18室と、ジャンク船中最多を誇る。各部屋には温水シャワー、トイレ、エアコンなど最新の設備を完備。専門のトレーナーを招いてスタッフの教育を行い、サービスでも一流を目指しているとか。1泊2日、および2泊3日のクルーズを行う予定だ。
問い合わせ先:TROPICAL SAILS社 E-Mail:lan@handspan.com
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(2003年9月号)
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