<ハノイ>
安らぎのお茶、
「ハス茶」ができるまで。
摘まれたハスの花は、大きな袋に詰められお茶屋へ。今日はまだ少ないと言いながらも、その数約2000本。その大量の花全てから、香りの決め手となる、ガオセン(ハスの米)というおしべの先の葯(やく)の部分と、花の内側にある小さな花びらをもぎとるのだ。しかし約2000本のハスから採れるガオセンは、とても少ない。しかも、そこから作られるお茶となれば、100本のハスでたったの100グラムという。花びらと分けられたガオセンは、茶葉にまぶされ熟成される。一見簡単そうに見えるが、その作業自体も、気温や湿度、茶葉やガオセンの状態など、全てを総合的に判断し慎重に行わなければならない、熟練工にしかできない難しい作業だとか。もちろん茶葉自体もこだわりの品。海抜1000メートル以上の高山でとれたもので、2〜3年熟成された、古葉でなければならないという。その後、ガオセンをまぶしたお茶の上にハスの花と葉をかぶせ、24時間熟成させる。しかもこれらの工程は、ハスの香りを保つため、早朝の内にすべてを終了しなければならない。
熟成が終わると、次は紙の袋に入れての蒸らしと乾燥。この作業も加減が難しく、蒸らしすぎても乾燥させすぎてもいけない。そして、再びガオセンをまぶし、またもや熟成、蒸らし、乾燥。この工程を7〜8回繰り返す。その後、ようやくガオセンが茶葉から取り除かれ、袋詰めにされる。しかし、その袋詰されたお茶も、すぐ飲むよりは何ヶ月かおいたほうが良いという。とにかく、お茶を口にするまでに、長い時間と多くの労力が費やされなければいけないのだ。
「タイでもホーチミンでもハスの花は咲きますが、本当に香りの良いハスは北部だけ。だから本物の『ハス茶』はここでしかできないんです」と、自信に満ちた様子で語るハイさん。実際、彼らのお茶の香りは安価で売られているものと比べ物にならない。そして、そうした苦労を重ね生み出されたハス茶には、リラックス、安眠、体バランスの調整など、体に安らぎを与える効用があると言う。
■ハス茶製茶見学と購入ができる場所
場所 15 Hang Dieu St.(ハノイ旧市街)
電話 (04) 8246625
営業 6:30〜21:00(製茶期間)、7:30〜21:00(通常)
製茶見学期間 5月下旬〜7月下旬、時間:7:00〜9:00
※ハス茶100グラム10US$、ハスの実1袋1US$
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(2004年7月9日 9:42更新) |