<ハノイ>
この季節だけに見られるハノイ風物詩。
丹精こめたハス茶作り。
夜明けと共に始まるハス摘み。そして、摘みたての花を使った製茶作業。人々の目が覚めきる前にすべて摘み終わらなければ、高品質なハス茶は出来ないと言う…。
■安らぎのお茶、「ハス茶」ができるまで。
「朝4時45分にお店に来てください」と言うハイ(Hai)さんの言葉にちょっとビックリ。ハス茶の取材をお願いした、旧市街に店舗を構える一軒のお茶屋。その若旦那である彼に連れられ、ハノイ近郊のハス畑へ、眠い目を擦りながらやって来た。
まだ夜も明けきらない早朝。ハス畑に足を踏み入れると、そこにはハスの間を流れるように行き来する小舟とハスを摘む人々の姿が、うっすらとした日の光の中に浮かびあがっていた。竹で作られた小舟は、人が1人乗れるほどの小さなもの。もちろんエンジンなどない。一本の竹ざおで船を操り、ハス茶に適した大きさの花を手早く摘む。船の上でのバランス感覚もすごいが、花を摘む作業の速さはさらに驚き。あっという間に小船がハスの花で一杯になっていく。1時間半ほどで作業は終了。「朝、採りたての香りが一番良い花でなくちゃだめ。あと、大雨の日に摘まれた花は香りが悪くて使い物にならないんだ」と、摘む花の選別にも特別のこだわりがあるらしい。
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(2004年7月9日 9:42更新) |