どうしてそんなに野菜がおいしいの?
暑い国が好き!とベトナムに住んでいても、やっぱり涼しさはありがたいもの。サイゴンからバスに乗ること7時間、目指す楽園がそこにある。いつものねっとりではない、サラリとした感触が肌に気持ちいい。ダラットは下界で暑さにあえぐ人々に安らぎを与えてくれる場だ。
涼しいとなればより食欲が沸くのも自然のなりゆき。ここは高原野菜のメッカでもある。もちろん街のレストランではダラット野菜メニューのオンパレード。キャベツとか、ほうれん草とか、ピーマンとか日本でもベトナムでも日常的に食べている野菜がメチャクチャうまい。ダラットで食べているからうまく感じるだけでなく、ホントにうまいのである。そんな調子でいろいろなものがうまい。夜の屋台の豆乳や、イチゴのシェークも。フォーにパリパリのレタスを入れるのだってダラットらしいうまさだ。食べまくることが私のダラットでの過ごし方。スアンフン湖でボートを漕ぐこともなければ、愛の谷で愛を語らうこともない。
どうしてそんなに野菜がおいしいのかと思い、野菜畑を訪ねてみた。そこには甲斐甲斐しく野菜の世話をする人の姿があった。「昼寝をしていても庭先にマンゴーがなるから」とか「種さえまけば三期作」というのが働かないベトナム人を揶揄した冗談。でも、ダラットで野菜を作る人々の姿を見たら、そんなこと冗談でも言えなくなってしまった。
文・写真=福井隆也(ベトナム在住写真家の日々是撮影)
ダラットにて
(2004年9月6日 16:14更新) |