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「元々は、陶芸を仕事にする気はなかったんですけどね」 と笑う宮里泉さんは、現在、ホーチミン市のカルチャーセンター「オーバーランドクラブ」で陶芸講師を務めている。 宮里さんが陶芸に出会ったのは、彼女が高校3年生の頃。ふと目を通した雑誌に掲載されていた、スペインやポルトガルの皿の陶器に一瞬で心を奪われたという。 そこで1994年より、沖縄県立芸術大学にて4年間陶芸を学び、卒業後、さらに陶芸を学ぶためにスペインへ留学したのだ。 「沖縄では赤土が多いのですが、スペインには黒土があり、また低温で焼くため、発色が鮮やかなんです。陶器1つにしても国や地域の特徴が出るんですよ」。 約1年間の留学を経て、2000年に帰国し、東京で就職活動を始めた宮里さん。 「陶芸作品で感情表現をしようとする人たちと比べて、私はただ好きなものを楽しいから作っているので、『陶芸家』にはなれないと感じていました。でも、いざ様々な企業の就職試験を受けてみると、私が自信をもって『これができます!』と言えるのは陶芸しかないんだと気付いたんです」。 そうして2001年に、陶芸教室兼ベトナム料理店を経営する会社に就職。昼間は陶芸を教え、夜はウェイトレスとして働く日々を送る。そして約5年間の勤務の後、ベトナムでの生活を考え始めたという。 「退社したとたんに、毎日食べていたベトナム料理が恋しくなって。それに、共に働いていたベトナム人スタッフの故郷がどんなところか見てみたくなったんです」。 そんなある時、インターネット検索で目に止まったのが「オーバーランドクラブ」の陶芸講師の募集情報だった。連絡をしてみたところ、とんとん拍子で話が進み、2007年に来越することに。ここベトナムでも独自の陶芸に出会えたと宮里さんは語る。 「日本では粘土の空気を抜くための『菊練り』という作業をし、ろくろを使いますが、南部のソンベー(Song Be)焼きは型に入れて同じ形の陶器を大量生産するんです。有名な北部のバッチャン(Bat Trang)焼きよりも、花などを素朴に描くソンベー焼きに惹かれますね」。 現在教室には日本人、フランス人、韓国人、ベトナム人が陶芸を学びにきているが、教えていく中でも、また新たな発見があるという。 「自由に絵付けをしてもらうのですが、特にベトナム人の色使いは斬新。私が、それはちょっと…と思っていても、焼いたら意外と良かったりするんですよ」。 しかし、ベトナムでは、陶器を芸術作品として作ったり、飾ったり、製作自体を楽しむ環境がまだ少ないという。 「ただ最近では、海外を訪れた際に、様々な陶芸作品を見て、それから興味を持って教室に来る人が増えています。ベトナム人は手先が器用だと言われていますし、独自の色のセンスを持っています。今後、様々な陶芸作品が生まれていくと思いますよ」。 まずは、陶芸のおもしろさをベトナムで広めたいと語る宮里さん。 「皿や器などは作るだけでなく、実際に使う楽しみもあります。今、ベトナム料理を習っているのですが、私もいつか自分の作った皿や器で、自分の作ったベトナム料理を味わいたいと思っているんですよ」。 (2009年3月号/2009年3月25日 水曜日 14:52JST更新) |
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