<ベトナム芸能界珍道中>
愉快・痛快・ウキウキ★SAKAI
最終話:俺はベトナムと日本の架け橋になる!
これと並行して、俺はドクさんを日本に招聘するプロジェクトも進めた。2008年は、日本ベトナム外交樹立35周年の記念の年であるとともに、「ベトちゃん・ドクちゃん」分離手術から20年という節目の年なのだ。
また彼の生の言葉を届けるべく「グエン・ドク氏講演会」を企画。運営委員会を立ち上げ、気仙沼市民会館で開催される運びとなった。
さらにNPO法人「日本ベトナム障がい者支援センター」が2008年1月に無事登記完了。なんとかドクさんの来日直前に『天使のはしご』のCDも間に合い、日本国内の大手CDショップで発売が決定した。なんだか目まぐるしい勢いで、でも着実に俺の想いが形になっていった。
そして2008年4月5日、来場者1100名を前に講演会が行われた。ドクさんは結合双生児として生まれた自身の経験、差別やいじめの克服、兄ベトさんとの思い出、結婚、夢や目標を持ち努力することの大切さを語ってくれた。
「今後も両国の関係が発展するよう架け橋となり、平和な世界を目指して努力していきたい」
ドクさんは講演の最後を力強い言葉で締めくくった。フィナーレではドクさん夫妻と「シクロ」、そして地元の子供たち総勢100名で『天使のはしご』を熱唱。講演会は大盛況の内に幕が閉じられた。
俺がスターになると決意してからこれまで、あれこれと迷いながらも挑戦し続けられたのも、多くの人々の支えがあったからだ。ベトナムを通じて出会えた人との縁を大切にして、俺は今後、日本とベトナムの友好の掛け橋になりたいと思っている。 (終)
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