<ベトナム芸能界珍道中>
愉快・痛快・ウキウキ★SAKAI
最終話:俺はベトナムと日本の架け橋になる!
☆前回までのあらすじ☆
売れないCDに自信を失くし、路上の喧嘩でボコボコにされたSAKAI。だが、他人の痛みを垣間見たことで、「困っている人を助けよう」と決意し活動を開始。そして寄付金を届けに訪れた施設で待っていたのは、ドクさんとの出会いだった…。
ベトナムでの施設慰問中に出会ったのは、下半身がつながった結合双生児として話題となった兄弟「ベトちゃん・ドクちゃん」のドク(Duc)さんだった。
彼がホーチミン市の「ツーズー(Tu Du)病院」で事務職員をしているとは聞いていたが、この病院に入ろうとした瞬間、外に出てきたのが本人だったので、俺とWADAは驚いた。
「ニホンジンデスカ〜?」
ドクさんは突然、俺達に尋ねてきた。片言だが、日本語を話すことにもびっくりしながら、歌手ゴック・ソン(Ngoc Son)の弟子であることや、施設を慰問していることを話した。
すると彼は音楽が大好きで、ゴック・ソンと俺達「シクロ/xych-lo」のコンサートも観たことがあるという。意気投合した俺たちは、夕食を共にすることになった。
その席では婚約者のテュエン(Tuyen)さんを紹介され、俺達は昔からの友人みたいに大盛り上がり。ゴック・ソンの歌をリクエストされ、みんなで『ローイトーティンゼートゥオン/Loi to tinh de thuong』をアカペラで歌い始めた。突然のことに初めは驚いていた周りの客も、気づけば、
「エオ! オエオ!」
と一緒に大合唱。それが楽しかったのか、ドクさんから、
「結婚式のステージで歌ってほしい」
と誘われ、もちろん俺達はその場で出席を承諾した。
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