| <ベトナム芸能界珍道中>愉快・痛快・ウキウキ★SAKAI
 第9話:ベトナム凱旋!またもや天狗まっしぐら…。
☆前回までのあらすじ☆日本への強制帰国後、自堕落な生活におぼれるSAKAI。しかし、最後に披露した得意の歌で散々たる結果となった『マネーの虎』出演を機に、なぜか人気はうなぎのぼり。そこに再び、ベトナムでスターを目指す、そんな話が舞い込んできた。
  2004年夏、茨城で出会ったスポンサーにおだてられ、俺は3年振りにベトナムに舞い戻ってきた。独特な「アジア臭」と「うだる暑さ」が俺を出迎えてくれた。  ゴック・ソンに破門され、ベトナムから追放されたにも関わらず、そんなことはすっかり忘れ、観光気分。久々の異国に心が弾んでいた。  しかしすぐに現実に引き戻された。 「滞在は10日間だけだ。早く師匠を紹介してくれ!」  スポンサー達はしきりに俺をけしかける。  彼らにはゴック・ソンとケンカ別れした事は一切話してない。そんなことを言ったらお金を出してくれない…。そう思った俺は、全てを隠していた。  だが、彼らをベトナムの大スターに会わせなければ、このままベトナムに放置されてしまいそうな気がする。そこで俺は悩んだ挙句、しぶしぶゴック・ソンに電話をかけた。怖さと不安で手が震えていた。  「HELLO〜!」  ヤツが電話に出た。声の主が誰であるかは、ひと言で分かった。  俺は緊張しながら 「SAKAIです」 と言うと、 「OH MY GOD!」 と返された。  すでに俺がベトナムにいることを伝えると、意外にも何事もなかったかのように、今夜家に来なさいと言われた。  とりあえずアポイントが取れてホッとしたが、実際に会うのは死ぬほど不安。  一体、何を言われるのか、スポンサー達に隠してた事がばれやしないか、様々な不安を抱えながら、俺はスポンサー達を連れて恐る恐るゴック・ソン邸に足を運んだ。  次のページ→ (2008年1月号 | 2008年1月9日 水曜日   10:40 JST更新) |