痛風発作と尿酸値 発作対応から長期管理まで

痛風発作と尿酸値 発作対応から長期管理まで
症例
60歳男性。朝から何となく右足指の根元に違和感があり、午後にかけて痛みが悪化したので夕方来院。痛風と診断し、鎮痛薬を処方して再診を指示。10日後の再診で疼痛なく、尿酸値は8.9mg/dL。食事指導と合わせて服薬を開始した。

“風が当たっても痛い”痛風
典型的な痛風発作とは

これぞ痛風、と呼びたくなる典型例です。痛む場所で最も多いのが親指の付け根ですが、足首や足の甲が痛むこともあります。

この段階では、とにかく鎮痛薬で痛みを抑えることが最優先ですが、もともと尿酸を下げる薬を服用している場合は中断せずに続けます。薬を服用していなくても、以前から尿酸値が高いことがわかっていれば、服薬を開始する場合もあります。

ただし、人生初の発作で内服薬もない場合は、痛みが消えてから尿酸値を測定して、服薬が必要か検討します。発作中の尿酸値は普段より低いこともあるため、参考程度にとどめます。逆に、尿酸が高くても無症状なら服薬不要なこともあります。

発作が過ぎたあとの対応
服薬と食事療法など

鎮痛薬を数日服用して無事に痛みが引いたら、尿酸値を見ながら服薬を検討します。 尿酸値が上がる主な原因は、体質と生活習慣です。生活習慣が原因とされるものの中でとくに有名なプリン体は、肉(とくにレバー)やビールなどのアルコール飲料に多く含まれ、体内で分解され尿酸となって血液中に溶け込みます。この尿酸が、血流の悪い足先で結晶を作るのが痛風発作です。つまり、運動不足や肥満も発作の誘引です。

高い尿酸は腎臓と相性が悪く、互いを悪化させるので要注意です。血中の尿酸を下げる薬剤は2種類あり、どちらも尿酸値を見ながら量を調整するため、服用中なら何でも好きなだけ食べて良いわけではありません。

Information

ファミリーメディカルプラクティス(FMP)ハノイ
千葉大医師
(総合診療医)

東北大学卒業後、内科・救急医・家庭医療を専門に25年以上の診療経験あり。2019年からFMPハノイに勤務し診察を行っている。緊急時は日本への国際医療搬送も可能。
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