New 2025.04.01

今までも、これからも。

やっぱりベトナムのここが好き!

やっぱりベトナムのここが好き!
『ベトナムスケッチ』が創刊した2000年4月当時と比べて、ベトナムは大きな経済期発展を遂げ、生活はより便利に暮らしやすくなり、街の風景も人々のライフスタイルやファッションも大きく変化してきた。四半世紀を経ても変わらずある「ベトナムらしさ」、ベトナムだから生まれたモノなど、この国の魅力を挙げればキリがない。

※記事の情報は2025年2月取材時点のものです
※店舗等の都合や現地情報により内容が異なる場合があります
目次

日々目にするベトナムの本質
ー 日常風景 ー

道すがら目にする風景、出会う人々、外で感じる熱気や匂いなどなど、日常風景がベトナムらしさそのもの。日本との違いを探せばキリがなく、それ自体が面白さとも言えるはずだ。

何でも運ぶ! はたらくバイク

ベトナムの運び屋さん。大きいもの、高価なもの、時には生きているものなど、日本では考えられないようなものでもバイクで運んじゃいます。このチャレンジ精神は、ベトナムに住む日本人としても見習うべきと思います。
(ハノイ&ホーチミン市/在住8年)

バイクの上で家族団らん&リラックス

バイクに3人以上乗ったり、バイクの上で寝たり。
(ホーチミン市/在住12年)

ふしぎなオブジェ・看板

油断していると視界に飛び込んでくる、摩訶不思議なオブジェやキャラクターたち。目にするとちょっとテンションが上がると同時に、「???」の数々が湧き上がってくる。

Grabのデコレーションやこだわりの内装! 各ドライバーさんで違って結構面白いです! これ特集してほしいです~!
(ホーチミン市/在住2年)

渡れない横断歩道

歩行者の信号は青なのに、信号待ちをしているバイクが横断歩道まで前に出ていて、渡れなかったことが。しかも、この場には(自主的に)交通整備をしている人がいて、「こっちへ/Ra đây!」と言いながらバイクを誘導していた。2025年1月に交通法が変わって信号などのルールを守る人は増えたけれど、歩行者優先の意識はまだあまり浸透していないのかも。
(ハノイ/6ヶ月)

超軽装で溶接工事

家の前や建物の中で、軽装で金属の溶接をしている人をよく見る。写真は学校近くの住宅街で見た光景。庭で草を刈るような気軽さで、火花を散らして作業しているのでいつもハラハラする。
(ハノイ/6ヶ月)

絵になる街並み

フォトジェニックな風景

編み笠をかぶって青果を路上市場で売るおばちゃん、鮮やかな色のファッション、重厚な歴史を感じさせる遺跡など…。街中には思わずカメラを向けたくなる風景で溢れている。

どこでもカフェ

路上に椅子を並べただけの「店」、テイクアウト屋台、おしゃれカフェに至るまで、街の至る場所にカフェがある。都市部に限らず、田舎に行ってもお茶やコーヒーが飲める場所はすぐに見つかるはず。仕事の合間の息抜きや雨宿り、友だちとのおしゃべりに欠かせない必需品。

低いプラ椅子カルチャー

路上カフェなどでよく目にするプラスチック製の低い椅子。椅子が低い理由は諸説あるが、「アジアンスクワット」、いわゆる「ヤンキー座り」の習慣と関わりがありそうだ。とくに農村地域では、かかとをついてしゃがむ(Ngồi Xổm)スタイルや、床で食事をするなど、低い位置で座ることが日常。椅子も低い方が落ち着くのかもしれない。低い目線で眺める風景は、普段と違って見えるのがいい。

動物も自由&マイペース

番犬代わりのガチョウ

地方に行くと、ガチョウが番犬代わりに飼われていることがある。警戒心が強い性格から、知らない人を見ると大声で鳴きたて、追いかけてくることもある。見かけることがあったら、近づかないのが賢明だ。

型にハマらないスタイルの動物園

1864年に生まれた歴史ある「サイゴン動植物園」はとっても自由!? どれほどかと言うと、さまざまな動物たちが実に自由気ままに、なんなら檻の外にまで足を延ばしている。サルや大きな鳥がそこかしこにいるほか、園内では最近ネコたちも増殖中。ここ数年では経営危機が叫ばれているので、動物好きはぜひ通ってほしい。

ダチョウ乗りができる場所もある!(ビンズオン省ダイナムパーク、ニャチャンのモンキーアイランドなど)

自由で合理的で情に厚い
ー ベトナムの人々 ー

ベトナム暮らしが心地よいのも、仕事ができるのも、ベトナムの人々がいるからこそ。一筋縄ではいかないけれど、情に厚く、おせっかいなほど親切なベトナム人の良さに目を向けて見て。

自由万歳

人が自由に生きている。仕事中に歌を歌ったり。好きなときに食べたり。(在住12年)

宴会&カラオケ大好き

「モッハーイバー、ヨー!/Một hai ba, dzô!」の掛け声で繰り返される乾杯と、歌手顔負けの歌唱力と演技力で盛り上がるカラオケ。友達同士だけでなく、会社や自治体での飲み会も大切なエンタメだ。旧正月テト(Tết)を迎える時期に盛り上がりはピークに。

容赦なくベトナム語で話しかけてくる

「お姉さんありがとう/Cảm ơn chị!」と言っただけで、「あんたベトナム語うまいねえ!」と褒めてくれるやいなや、そこからは容赦なくベトナム語のマシンガントークが始まる。もはや、こちらの理解度はそっちのけでも、楽しそうにしてくれていると分かっているふりでやり過ごす。
(ホーチミン市/在住23年)

おばちゃんファッション

おばちゃんたちのドーボ(Đồ Bộ)。独特のファッションセンスだなと思っていましたが、知れば知るほどいろいろな柄がありステキ!(在住2年)

親切で気さく

ベトナムの方の人柄。目が合うと笑顔で微笑んでくれたり、いきなりベトナム語で話しかけて来るところが温かく、日本人とは全然違うところで面白いなと感じています。
(ホーチミン市/在住2年)

ほぼ初対面の人ばかりの食事会でも、食事を取り分けてくれたり、お代わりを進めてくれたり。言葉があまり通じないときでも、そういった振る舞いで優しさを感じます。
(ホーチミン市/在住23年)

子ども大好き

うちの子がまだ赤ん坊のころ、知らない飯屋に入ったら、店員の女の人がそれはもう不機嫌そうで。食べる前からがっかりだったけれど、夫婦交互に赤ん坊をあやしながら料理を食べようとしたら、その店員さんが(不機嫌な顔のまま)赤ん坊をあやしてくれて、「今のうちに食べな」という身振り…。きっとアクションが本音のままなんだなぁ。あのときはありがとう。
(ホーチミン市/在住16年)

”身内”は特別扱い

「家族」の範囲が日本の「遠縁」まで及ぶくらい広いベトナムでは、いったん「身内」になると、徹底的にケアして面倒を見てくれたり、逆に遠慮がなくなったりと、良くも悪くも近くなることを実感します。
(ホーチミン市/在住15年)

ホーチミン市の人たちは、フレンドリーで気さく。ノリもよくてすぐに距離が近くなる気がします。一方でハノイは打ち解けるのにすごく時間がかかるのですが、いったん仲良くなると末永く付き合える関係になるのが心地よい。付き合い方もエリアによって違うのが面白いです。
(ホーチミン市/在住25年)

踏破できないバラエティの多さ
ー ベトナム料理 ー

一口に「ベトナム料理」と言っても、北・中・南部の地域によって味付けや使用する調味料、調理法は異なる。さらにこれまでの歴史の経緯から、中国、フランス、カンボジアなど外国からもたらされたり影響を受けたりした料理も相まって、ベトナム料理の奥深さに際限なし。どれだけ長く暮らしても、新しい料理との出会いや発見が潜んでいる。

ベトナム料理の種類にまつわる
5つのギネス世界記録

2020年に世界記録認定機関「ワールドキングス/WorldKings」が認定した、ベトナム料理にまつわる様々な世界一。この数字からも、ベトナム料理の幅の広さが垣間見られる。

汁麺の種類が世界一
<164種類>

ベトナムの麺は小麦粉、米粉、タピオカ粉などから作られることが多く、素材、形状、色、香り、食感に至るまで、無数のバリエーションが存在する。さらに、同じ種類の麺であっても、村や地域が異なれば食材の組み合わせも変わり、それぞれに独自のアレンジも加えられている。

花料理の種類が世界一
<使う花43種類><花料理272種類>

ベトナムの「花料理」は、素朴な郷土料理から洗練された宮廷料理まで、幅広いスタイルで存在する。日々の家庭料理や食堂でも見かける大切な食材としては、バナナの花、かぼちゃの花、花ニラ、イエライシャン(夜来香)の花、アーティチョークの花などが市場などで売られている。花をたっぷり食べられる「花鍋/Lẩu Hoa」など、見た目に華やかな料理も見逃せない。

米粉料理の種類が世界一
<143種類>

ベトナムは、古くから米を主食とする農耕文化をもち、「米粉」を使った料理や菓子が非常に豊富。蒸す・焼く・揚げるなど地域ごとにさまざまな方法で調理され、シンプルながらも香ばしく、素朴な味わいが魅力だ。各種ライスペーパーや米麺、餅、クレープ状の「バインクオン/Bánh Cuốn」、「バゲット/Bánh Mì」、お好み焼きのような「バインセオ/Bánh Xèo」などなど、枚挙にいとまがない。

魚介類の発酵食品の種類が世界一
<100種類以上>

海岸線が長いベトナムは水産資源が豊富で、古くから長期保存のために魚を発酵させる技術が発達してきた。その結果、数百種類にも及ぶ魚醤「ヌックマム/Nước Mắm」や発酵食品が生み出された。エビを使った「マムトム/Mắm Tôm」、魚醤の原料カタクチイワシの「マムカーコム/Mắm Cá Cơm」や「マムネム/Mắm Nêm」、果てやウニの「マムニュム/Mắm Nhum」まで、こちらも数を挙げればきりがないほどだ。

巻物料理の種類が世界一
<103種類以上>

ベトナム料理の代名詞でもある「春巻き」は、そのバリエーションに際限がない。知名度抜群の「生春巻き/ゴイクオン/Gỏi Cuốn」、「揚げ春巻き/(北)Nem Rán、(南)Chả Giò」に限らず、「からし菜巻き/Cuốn Diếp」、「牛肉のロット葉巻き/Bò Lá Lốt」などのほか、蒸したり焼いたりした魚や豚肉、焼きつくねなどを食べるときにも、ライスペーパーや野菜で巻いて食べられることが多い。「巻き上手」はベトナム料理を味わうときに大切なスキルだ。

食材、風味、彩のバランスの良さ

ベトナム料理は、5味(塩気、酸味、辛味、甘味、コク)、5彩(黒、赤、緑、白、黄)、2香(食材の香りのよさ、調理による香ばしさ)を、1皿でなるべく満たしたものが理想とされている。食材、風味、調理プロセスの複雑な組み合わせによって、これまでに味わったことのない旨さを実現していくのだ。

食べても食べても、
未知の料理との出会いがある

世界記録になるほど、料理も調味料も種類豊富なベトナム料理。ちょっと場所を変えたり、普段と違う店に足を運ぶだけで、日本ではなじみのない植物、動物、果ては虫に至るまで、全く新しい料理に出会えるチャンスが。食べ方が分からなくても、周りにいる誰かが教えてくれるはず。「郷に入っては郷に従え」精神で、可能な範囲で試してみよう。

コロナ禍を機に、宅配カルチャーがすっかり根付いて、さらに発展し続けるベトナム。大半の店がデリバリーに対応しているだけあって、料理もドリンクもデザートも、なんでも届けてくれる。食べたことのない料理を試すのにも便利だ。

腹が立つけど、なぜか許せる!?
ー 愛すべき理不尽 ー

ベトナムは「美味しい」「楽しい」だけでは、もちろんない。時々、気持ちがもやもやするようなことに遭遇することはある。けれど結局それさえ「おもしろい」と腑に落ちてしまうところが、きっと「ベトナムらしさ」なのに違いない。

これアリ!?
どこかでみたキャラクター

市場や遊園地などに行くと、オリジナリティ満載の有名キャラたちに出会えることがある。本当はアウトなんだけど、「これこそベトナムだよね!」と思ってしまう自分もいる。
(ホーチミン市/在住23年)

リーズナブルベトナム。ローカル市場に行くと、いろんな有名キャラクターグッズが売られています! ちょっと何かが違うような気がするけど、この価格は買いですね。
(ハノイ&ホーチミン市/在住8年)

飲食店に食べ物を持ち込む

最近はあまりみかけなくなったけど、カフェでドリンクを1杯頼んで、あとは自前の弁当と水筒を持ち込んでランチするOL。あまりにもそういう人が多いので、たまに自分も持ち込むようになってしまった。
(ホーチミン市/在住23年)

無邪気じゃなくて、商売だった

随分前に砂丘に行った時、子ども達がプラスチック板のようなものを持って、一緒に滑ろう! 的な感じで、わちゃわちゃ集まってきた。どの国も子どもは可愛いなあと思ったら、滑った後「1万VND」と言われた。子ども相手に交渉もできず言い値で払った。
(ホーチミン市/在住23年)

時間にゆるい

「時間を守る」の感覚が日本とはかなり違う。5~10分程度の遅刻は日常茶飯事で、本人には「遅刻=悪い」という感覚が薄いようにみえる。遅刻の言い訳トップ3は「渋滞」、「家庭の事情」、「バイクの故障」。就職面接でもそういうケースがある。逆に、こちらが遅れたときも相手は寛容なのが救いかも。

素直なの?
なんでも直球勝負

まったく悪気はないのだろうが、道行く人を指して、または本人に向かって「太ってるね」「ケバいよね」といちいち指摘する人がたまにいる。「髪の毛短いね! 男かと思った。長くした方が似合うから、ぜったに伸ばしな!」と雑貨屋のおばちゃんに言われたことも。本人はいたって真摯におすすめしてくれているんだと思う。
(ホーチミン市/在住23年)

給料、家賃、恋愛事情…
プライベートな質問攻め

タクシーの運転手さんとの雑談で、「今年何歳? 結婚してる? 子どもは何人? 給料・家賃はいくら?」といった“一問一答”を初めて受けると驚く。実はこれ、ベトナム語で「あなた」と呼ぶには年齢差を知る必要があることや、会話のきっかけを探すためなど、ベトナム人同士でも一般的なやりとりだ。個人事情を詮索しているのではないと分かれば、すべて真に受けて答える必要もない。頻繁に聞かれるため、この手の一連の質問はベトナム語で流暢に応対できるようになるかもしれない。

ずっと気になっている
ヌックミア女子の存在

サトウキビジュース(Nước Mía)の屋台に描かれた「ヌックミア女子/Cô Mía」。年々、都市部での姿は減っているが、地方へ行くとまだ出会える彼女は、キャンペーンガール(?)のはずなのに、なぜかぞんざいに描かれることが多い気の毒な存在だ。アート作品に突然登場することがあるが、やっぱりちょっとブサイクなのが一周回って愛おしい。

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