企業内異動と現地採用① 社会保険上の論点について

企業内異動と現地採用① 社会保険上の論点について

ベトナムにおいて認められる
2つの就労形態

外国人がベトナムで就労するには、労働許可証(ワークパーミット、以下WP)の取得が必要となり、その就労形態は、企業内異動(出向者)と現地採用に区分されます。就労形態によって、ベトナムにおける社会保険の取り扱いが異なるため、注意が必要です。

企業内異動とは、ベトナム現地法人を設立した外国企業(例、日本本社)の従業員として12ヶ月以上前に採用され、現地法人に一時的に異動すること、と規定されています。一方、企業内異動の条件を満たさない場合(出向元での勤務経験が12ヶ月未満)には、ベトナム現地法人と雇用契約を結び、現地採用による形態でWP申請をします。

就労形態と社会保険の関連性
企業内異動は加入義務なし

ベトナムにおける雇用者と満1年以上の労働契約を締結している外国人労働者は社会保険の強制加入対象とされていますが、企業内異動の場合は、例外的に対象外となります。これに基づき、従前、社会保険の加入によるコストを削減するため、企業内異動による就労が好まれる傾向がありました。

しかしながら、これに関連する法人税上の最近の論点として、ベトナム現地法人との雇用契約のない企業内異動者(出向者)に支払った給与の損金算入が認められないリスクが着目されています。これについては、次回のコラムで解説を予定しています。

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール:eyhanoi@vn.ey.com www.ey.com

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