3~5年おきに行われる税務調査 調査対象となる企業の決定プロセスとは

3~5年おきに行われる税務調査 調査対象となる企業の決定プロセスとは

企業に対する税務調査
納税者により頻度が異なる

ベトナムでは、企業に対する税務調査の頻度は、3~5年に1回が一般的と言われていますが、税務調査対象の選定時に、会社ごとのリスクレベルに応じて優先順位が付けられていることはご存知でしょうか? 

実は、この選定プロセスには、通達に基づく特定の基準が存在します。今回は、税務調査対象の決定プロセスについて解説します。

税務当局によるリスク判定
スコアリングにより分類

税務当局は、通達31/2021号に基づき、税法違反の兆候となる項目をチェックリスト化し、納税者をスコアリングすることにより税務調査対象を決めています。チェック項目ごとに2点、1.5点、1点のいずれかのスコアが付けられ、合計スコアに応じて、納税者のリスクレベルを5段階に分類します。地方税務当局はリスクの高い納税者に対して、優先的に税務調査が入るように翌年の調査計画を作成し、毎年11月頃までに税務総局に提出します。

リスク評価のチェック項目には、前渡金が著しく増加している等の財務指標に関する項目の他、財務諸表に限定付適正意見が付されている、過去24ヶ月以内に会計監査、税務手続違反などで行政処分を受けているなどの項目があります。 

手続き違反を減らしてリスクレベルを下げると同時に、財務指標に関連する項目等、改善が難しいリスクが残る場合には、調査に向けた準備の強化が肝要です。

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デュaーデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール:eyhanoi@vn.ey.com www.ey.com

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