実は街歩きで目にしていた 古代ドンソン文化由来のデザイン

実は街歩きで目にしていた 古代ドンソン文化由来のデザイン

東南アジア地域初期の金属文明
ベトナム民族の文化源流のひとつ

ドンソン文化とは、ベトナム北部紅ホン(Hồng/紅)河流域で、紀元前8~7世紀から紀元1~2世紀頃まで存在したとされる金属器文化だ。フランス人骨董品収集家パジョ(L.Pajot)氏は、タンホア(Thanh Hóa)省ドンソン(Đông Sơn)村で1924~1932年に発掘調査を実施。その結果、動物、太陽、船を漕ぐ人々など、当時の信仰や日常の生活の様子を再現した対称模様が描かれた青銅製の太鼓「銅鼓」をはじめとする古代青銅器が出土した。オーストリア人考古学者ハイネ=ゲルデルン(R. Heine-Geldern)氏に名づけられた「ドンソン文化」は現在、ベトナムの文明における曙光と位置づけられている。

古代ベトナム人の生活に基づく
シンプルで力強い文様の数々

ドンソン文化の文様をモチーフにしたデザインは、看板、家門、飾りランプ、大学の紋章など、日常生活においても様々な場所で登場する。とくに多いのが、水田に生息するコウノトリが起源と言われる神聖な鳥「雒鳥/Chim Lạc」のトーテムだ。大きな鳥が太陽の周りを飛び回る様子は、困難を乗り越えようとする力強さや生命力、そして希望の象徴とされる。ハノイの「グオム劇場/Nhà Hát Hồ Gươm」にも、ロビーの屋根や内装にドンソンモチーフがふんだんに使われている。街歩きの際は、普段の生活の中にも息づいているベトナム文化の源流を、ぜひ探してみてほしい。
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