契約目前で、内容が覆された! 必要なのは譲歩? 強行策?

契約目前で、内容が覆された! 必要なのは譲歩? 強行策?
交渉事例 No.002
日本企業A社は、ベトナム企業B社との間で合弁契約締結のための交渉を数ヶ月間、順調に進めていたところ、これまで同意していたはずの内容を覆す対応をされてしまった。「これに同意しなければ、合弁契約の締結はしない」と強気。A社としては、受け入れがたいものの、契約をまとめなければいけないため、譲歩をせざるを得ないかもと悩んでいる。

相手が強気なら、強気に攻める
ベトナム語での理解も大切

ベトナム企業B社は、合弁契約の内容について経営陣内部での意見調整を詰めないまま、A社との交渉に臨んでいました。交渉の最中に、B社の経営陣が、A社側の面前で内部での議論を始めることもしばしば。一方でA社は、B社内部の状況を当初は認識できていませんでした。ベトナム語と日本語で交渉をファシリテートできる人員を交渉の場に参加させることにより、B社内部の状況を認識したA社は、強気の対応をすることを決意。最終的にB社はその主張を撤回し、合弁契約は妥結しました。

ビジネス交渉の場において、自尊心、自信から強気の姿勢を最後まで維持しようとするベトナム人は多いです。和を尊ぶのが日本人であったとしても、強気の姿勢を最後まで堅持することで分が良くなる場合がほとんどです。同時に、相手の弱点を観察するために、ベトナム語に秀でた交渉補助者をチームに加えることが大切です。

伏原 宏太
Fushihara Hirota

ベトナム法専門家、ベトナム語同時通訳者、上智大学法学研究科法曹養成専攻修了。日本人として初めて、ハノイ法科大学、ベトナム司法省司法学院弁護士養成課程の正規課程を修了。現在、ベトナム国際商事調停センター公式調停員、日越大学非常勤講師、非営利法人「越日希望の轍プロジェクト」代表を兼務。

The Libero and Associates
メール:fushihara@libero.com.vn
https://libero-associates.studio.site

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