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2024.02.02

U40スペシャル座談会<ダイジェスト>

U40スペシャル座談会<ダイジェスト>
日本人取材・文/杉田憲昭(Grafica Co.,Ltd.)
ベトナム語翻訳/Lưu Bích Dung

座談会の全文&動画は下記にてごらんください
https://japanvietnam50.org/u40
日越外交関係樹立50周年を記念し、日本とベトナムの今を、そして未来を牽引する世代の57名にインタビューを行った特別企画「U40」。日本とベトナム、両国それぞれを俯瞰して見つめる彼らは、日々の生活や交流を通じて今、何を思うのか。未来の子どもたちへのメッセージを交え、日越の架け橋として生きる彼らの中から代表して6名に胸の内を訊ねた。

経済学博士
グエン・キム・ガン
(Nguyen Kim Ngan)
経済的に恵まれない環境から抜け出すために全力で勉強し、日本で経済学博士として企業のサプライチェーンの強化や日越技術移転などの支援に尽力。また、非営利団体「ベトアジ/BETOAJI」の仙台支部長として社会貢献活動にも従事している。

エイチビーラボ/代表取締役、キディハブ/会長
グエン・フイ・タン
(Nguyen Huy Thang)
日本市場向けのITオフショアサービスを提供する「エイチビーラボ/HBLAB」代表、ベトナムの幼稚園に日本の教育プログラムを導入する「キディハブ/KiddiHub」」会長。日本留学で学んだ日本独特の考え方や精神で、情報技術と教育分野において日越の橋渡しを行う。

ふぐ処理師・食物栄養学博士
ヴゥ・テゥイ・リン
(Vu Thuy Linh)
フグの捕獲も食べることも法的に禁止されているベトナムにおいて、フグの養殖・加工・輸出を実現し、海産分野における日越の協力を推進するために邁進。フグ食文化をベトナムに根付かせたいというその人生はフグ一色で、ベトナムで「フグ博士」と呼ばれる。

日本に関わる前後で、イメージの違いはありましたか?

グエン・キム・ガン(以下、ガン) 想像以上に素晴らしいと思いました。とくに、おもてなしのサービスは日本ならではの魅力でしょう。また、飲み会など日常の場面で日本人の素直な姿が見えました。

グエン・フイ・タン(以下、タン) 子どもの頃から日本製品の質の良さを耳にすることが多く、とても近代的な国だと思っていました。日本の地方の大学に進学したときに覆されましたが(笑)、大手日系企業の施設を訪問した際に、「良質な製品を生み出す現代的な日本」を改めて実感しました。

ヴゥ・テゥイ・リン(以下、リン) 日本に行く前は、黒のスーツを着た真面目な人々が住む規律正しい国だという印象でした。それが実際に行ってみると、陽気でフレンドリーな一面もあることを知りました。

日本の活動を通じて感じた自身に求められる役割やスキル、今後の課題を教えてください。

ガン 「報連相」は重要なスキルです。連絡する前に、自分の問題や伝えたいことを自分なりにしっかり整理し、対策も用意しておく必要があります。また、日本での生活を円滑にするために、電車での飲食禁止などのマナーを守ることも大切です。

タン 日本語での理解力を高めることが、空気を読むスキルを身につける前に重要だと思います。勤勉で陽気な性格などベトナム人の長所を生かして、課題に熱心に取り組んで仕事を進めていく人が大事にされます。

リン 日本人は意図をすべて言葉で伝えないことが多いため、「空気を読むスキル」は重要ですね。また、自分の日本語の理解度を素直に伝えたほうがいいです。ほかにも、時間や税金の管理スキルも大切です。

日本で活動をし、良かった点はありますか?

ガン 日本は夢を現実にする場所。「あなたの夢はなんですか」とよく聞かれ、日本人教授は、アドバイスをしてくださいました。夢の話を批判されたり、笑われたりしたことはなかったです。

タン 日本人は外国人に対して、とても忍耐強く接してくれて、いつも知識や経験を伝えてくれます。そのおかげで、自分が成長することができました。

リン ベトナム人は新しいことを始めるのに積極的ですが、そこから品質を維持し、どう発展・展開させていくかにおいてノウハウがありません。そこには日本式の規律とリスクマネジメントのスキルが必要です。

現在掲げる将来の目標は?

ガン 日本の教育は私の人生を変えてくれましたので、私も日本人の教授のように、学生に知識を伝えるだけでなく、若者たちの夢を支える存在になりたいです。また、ベトナム投資環境に関する情報をテーマにした、東北地方の中小企業向け無料セミナーを開催するつもりです。

タン 日本向けのオフショア開発会社として、将来はより良質な1000人のIT人材を送りたいです。エンジニアたちは頭がいい一方で、ソフトスキルや経験がまだ少ないため、日本のノウハウを理解して、よりよい人材に育っていってほしいです。

リン 日本のフグ食文化をベトナムに広めたいです。日本人によるフグ研究者・処理師会を設立して、ベトナム人にフグの処理方法を教えていきたい。また、大手日系企業と直接取引できるベトナムの輸入会社も設立したいと思っています。

後に続く若い世代にメッセージを。

ガン 自分の能力に応じた具体的な目標を設定し、自分の夢を描きましょう。発展し規制も多い日本社会では慣れないことがたくさんがありますが、小さな目標を達成するたびに、次の目標を達成するための自信が徐々に高まっていくと思います。

タン 日本語をはじめ、失うものが少ない若いうちに、やりたいことはすぐに始めて挑戦してほしい。そしてどの国に住んでいても、自分らしさを失わず、ベトナム人らしい前向きな姿勢で進んでいきましょう。

リン 日本での生活が大変だからといって、当初の目標や夢を忘れないでほしいです。日本人は、どんなことに対しても正直な人を高く評価します。また、どこの国でも、礼儀正しくプロフェッショナルな精神という健全な知恵と心があれば、自分のキャリアをはじめ、良いものを引き寄せられると考えます。

スターキッチン/スター・コンサルティング・ジャパン創業者兼CEO
荒島 由也
1983年東京生まれ。外資コンサルティング会社勤務を経て独立。2013年にホーチミン市にて料理教室「スターキッチン」を開業後、洋菓子製造・販売を開始。2021年に「スター・コンサルティング・ジャパン」を設立し、日系企業や地方自治体にベトナム市場への進出支援も開始した。

スリーエーサムズアップCEO
池山 諒太
幼稚園の頃からサッカーを始め、2014年にサッカースクールのコーチとして渡越。2016年4月に「スリーエーサムズアップ/3A Thumbs Up」を設立。ホーチミン市の日本人の子どもたち向けにサッカーとチアダンスの教室を運営するほか、ベトナムの孤児院で、ボランティアでサッカーを教えている。

YouTuber/女優
中谷 茜理
1993年大阪生まれ。大学卒業後、語学学習のために来越。大学の語学センターに通いながらYouTubeでの活動を開始。2022年には映画『エム・ヴァー・チン』で女優としても活躍。日越外交関係樹立50周年事業のプロモーションビデオにも出演している。

ベトナムに関わる前後で、イメージの違いはありましたか?

中谷茜理(以下、中谷) 正直フォーをうっすらとイメージするくらいで、何も知りませんでした。でも、住むうちにベトナムらしさが見えてきて。人は真面目だし、器用だし、大きなところでは外交上手でもありますよね。

池山諒太(以下、池山) 10年前に来た時はサッカーが1番でした。しかし、最近ではバスケやダンスなどストリートスポーツも人気。ベトナムの若さを感じますね。

荒島由也(以下、荒島) 当初はあまり豊かでない国というイメージでした。でも、富裕層は想像以上にお金持ちで、そうでない人は本当にそうでない。生き方自体も多様で、誰もが上を向いている成長意欲に満ちた国だと思います。

ベトナムの活動を通じて感じた自身に求められる役割やスキル、今後の課題を教えてください。

荒島 食を通じて日本文化を伝える活動をしてきた経験を踏まえて、バインミーを使ったラスクなど、この国の人々が大切にする文化を、両国の食文化を知る自分だからこそ世界に発信していければと思います。

中谷 言語の通訳者というだけでなく、文化や歴史を含めたベトナムに対する理解を深め、文化の通訳者として日越を繋ぐ役割になれればと思っています。

池山 僕の教室のミッションは「世界のピッチで活躍する人材を輩出する」こと。サッカー教室や遠征のお手伝いなどを通して、多感な時期の子ども達の成長に繋がるお手伝いをもっとできればと思っています。

ベトナムで活動をし、良かった点はありますか?

中谷 「みんなはしたいかもしれないが、自分はしたくない」など、率直に自分の意見を伝えることの大切さを学びました。また、日本にいた時は何事にも文句を言う性格でしたが、自分や他人、そして起こる出来事を感謝して受け入れられるようになりました。

荒島 日本で働いていたコンサルティング会社ではロジックが全てでした。ところがベトナムはその真逆。多様な価値観を受け入れられるようになり、自分でも人間性が上がったのではと感じています。

池山 レッスンやコーディネートも同じですね。急に予定が変わるなどのハプニングはよくあります。だから常にBプラン、Cプランを用意するようになりました。また、立場や年齢関係なく誰もが友達・仲間として接してくれるので心を開くことの大切さも学びました。

現在掲げる将来の目標は?

池山 ベトナムではスポーツのスポンサーシップは寄付や社会貢献活動の意味合いが強いのですが、今後は権利やマーケティング活動として行うフェーズに入ると期待しています。この国のスポーツ界の発展に携わり貢献したいですね。

荒島 日本の地方では今後、人手不足などにより農産物を生産できなくなる可能性があります。しかも賃金格差がなくなり、日本で働く外国人が減るかもしれない。だから先手を打って、お互いの良い部分を補い合う、その橋渡しができればと思っています。

中谷 私がベトナムから教えて貰ったように、多くの人に自分の可能性を解き放ってもらいたい。その中で、日本人やベトナム人に向けた言語教育の分野で活動できればと思っています。

後に続く若い世代にメッセージを。

池山 最近は海外離れなどの言葉も聞きますが、海外や世界への興味があるのなら、ハードルを感じず、まずやってみて欲しい。どんな思い出も将来の財産になるので、ぜひ楽しんで欲しいと思いますね。

中谷 SNSが身近な生活では理想と現実のギャップに幻滅し、辛い思いをしている若い人も多いと思います。そんな世界には、正面から戦ってもいいし、逃げてもいい。少なくとも生きてさえいれば、辛い過去を乗り越えた自分が、将来最高の味方になって、自分にパワーをくれます。それを信じて、毎日過ごしてほしいです。

荒島 グローバル化が言われるなか、ベトナム人とか日本人とか意識していない状態にきて初めて、人として協働していると言えます。その感覚さえあればどんな世界でも生きられるし、どんな人ともコミュニケーションがとれる。また、今は得意なことを伸ばす時代でもあると思うんです。何が好きなのか、得意を大切にして、自分をもっと磨いてほしいと思いますね。