労働許可証取得にかかる規定の改正

労働許可証取得にかかる規定の改正

専門家としての労働許可申請
学歴と職位の一致が不要に

2023年9月18日、外国人労働者の労働許可証等に関する政令152号を改正する政令70号が公布されました。今回は、本改正における重要な変更点を解説します。

まず、労働許可証の発給対象のうち「専門家」の要件が緩和されました。従前は、ベトナムで就労する予定の職位に関連する学位を持つ者と定められていましたが、今回の改正により、職務内容と学歴の一致は求められなくなりました。

近年、出身学部と職位の厳格な一致が求められ、労働許可証取得にかかる実務に混乱が生じていましたが、この改正により問題が解消されることが期待されます。

監督者の定義が拡大
部門長にも適用可能に?

次に、「監督者」の定義についても拡大されています。これまでは、支店、駐在員事務所等の長である者と解釈されていましたが、今回の改正により「直接的に機関、組織、企業の部門を監督する者、かつ、機関、組織、企業の長の直接の指揮下にある者」との定義が新設されました。

これにより、支店長や駐在員事務所長のみならず、企業の長による直接の指揮下にある各部門長についても「監督者」の分類での労働許可証の取得が可能になることが考えられます。

監督者の場合には、定款の提出等が求められますが、学歴の証明は不要になるため、有利な改正と言えると考えます。

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デュaーデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール:eyhanoi@vn.ey.com www.ey.com

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