電気ボックスに花が咲く！ハノイ公認のアート集団

チラシ貼りや落書きのかわりに
きれいな花を描きたい

ハノイの街中のあちこちで目にする、草花の絵が描かれた電気ボックス。これは若手画家、建築家、教師、記者などの9人の集まり「ハノイアートスペース／Hanoi Art Space」が2017年から始めた「ハノイの色／Sắc Màu Hà Nội」プロジェクトによるものだ。

　街角の電気ボックスが、貼り紙や落書きで汚れているのを目にしたリーダーのレー・ラン・ニー（Lê Lan Nhi）さんが、「ハノイ人として何とかこれらをきれいにしたい」と画家たちに声をかけて始まった。

行政の許可を得たアート活動
住民は「街に彩りが増えた」

ホアンキエム（Hoàn Kiếm）区人民委員会の許可の下、ハノイアートスペースはまずファンチューチン（Phan Chu Trinh）通りとリートゥオンキエット（Lý Thường Kiệt）通りの交差点にある10個の電気ボックスにアクリル絵具で絵を描いた。その1年後の調査では、絵は色落ちが少なく、1つを除いてチラシは貼られていなかった。周辺住民たちからは、「街に彩りが増えた」と好評を得た。

　これを受けて、さらに75個の電気ボックスに「ハノイで12ヶ月に咲く花」を描くことが許可された。画材を提供するスポンサーもつき、2019年初頭までに完成した。「美しいハノイを守る意識を呼びかけたかった」と語るリーダーのニーさんの思いが、花を咲かせたのだ。