Q.バイクを運転中に歩行者にケガをさせました。 どのような賠償責任が生じるでしょうか?

Q.バイクを運転中に歩行者にケガをさせました。 どのような賠償責任が生じるでしょうか?

A.日本と同様に、人的損害および物的損害の賠償義務が生じます。

交通事故による損害賠償責任

日本と同様にベトナムでも、バイク運転中に歩行者と接触してケガをさせた場合、「健康の侵害による損害」と「財産の侵害による損害」を賠償しなければなりません。

「健康の侵害による損害」には、治療費、減少した収入(休業損害)、働けなくなった場合の将来の収入(逸失利益)、看護が必要となった場合の看護費、精神的な損害(慰謝料)などが含まれます。

また、「財産の侵害による損害」には、傷ついて使えなくなった衣服やバッグといった物に生じた損害などが含まれます。

損害賠償の範囲は事故によって実際に生じた損害全部です。被害者の過失による損害分は賠償額が減額されます。

なお、企業の従業員が業務としてバイクを運転中に交通事故を起こした場合には、企業も被害者に対する損害賠償義務を負います。

人的・物的損害が対象
強制保険への加入

ベトナムにもバイクや自動車を運転する場合に加入が義務付けられている保険制度があり、バイクを運転する方は必ず加入しましょう。強制保険は、日本と異なり、人的損害だけでなく物的損害も対象となっていますが、バイク用の強制保険でカバーされるのは、人的損害が上限1億5000万VND、物的損害は5000万VNDです。

矢根 俊治
Yane Toshiharu

かがやきTNYリーガル代表。日本国弁護士・ベトナム外国弁護士。主な専門は、知的財産、労働・人事労務、企業法務・ベトナム新規進出支援、ODA・政府及び公的機関の調査など。

KAGAYAKI TNY LEGAL (VIETNAM) Co., Ltd.
メール:info@kt-vietnam.com
www.kt-vietnam.com

関連記事
Related Articles
【JCCH】第31回定期総会を開催 3年ぶりに会頭が交代・2024年4月25日(木)
2024.07.15

【JCCH】第31回定期総会を開催 3年ぶりに会頭が交代・2024年4月25日(木)

【JCCH】日・米・欧・韓商工会議所による ラウンドテーブルへの参加・2024年5月9日(木)
2024.07.15

【JCCH】日・米・欧・韓商工会議所による ラウンドテーブルへの参加・2024年5月9日(木)

ベトナム中年男性に人気! 実用性が高い「ムーコーイ」の魅力
2024.07.09

ベトナム中年男性に人気! 実用性が高い「ムーコーイ」の魅力

ベトナム上場株式関連する個人所得税
2024.06.24

ベトナム上場株式関連する個人所得税

Q. 従業員が、業務でデザイン制作などをした場合、著作権は誰に帰属しますか?
2024.06.23

Q. 従業員が、業務でデザイン制作などをした場合、著作権は誰に帰属しますか?