CbCR提出に関する今後の動向

CbCR提出に関する今後の動向

CbCRの作成義務と提出

日本では最終親会社の連結売上高が1000億円以上の場合に、CbCR(Country by Country Report/国別報告書)の作成が求められています。ベトナムに拠点がある日系企業の多くは自社でCbCRを作成する必要はないものの、最終親会社にCbCRの作成義務がある場合はベトナム拠点においてもベトナムの税務当局に最終親会社の作成したCbCRを提出する必要があります。

これまでベトナムは、各国税務当局間でCbCRが自動交換できる当局多国間合意(MCAA/Multilateral Competent Authority Agreement)に署名を行っていなかったことから、ベトナム拠点ないし委託された会計事務所がCbCRをベトナム税務当局に直接提出を行っていました。

ベトナム国のMAACの調印

ベトナム政府は2023年3月22日にフランスのパリにて、税務行政執行共助条約(MAAC/Convention on Mutual Administrative Assistance in Tax Matters)に調印を行いました。

MAACの調印によって今後のMCAAへの署名と国内法の改正が期待され、将来的には日本の最終親会社で作成されたCbCRは、日本の国税庁からベトナムの税務当局に自動連携されることが予想されます。

CbCRの税務当局間の自動連携によって、最終親会社及びベトナム拠点の双方にとって負担が軽減されます。

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール:eyhanoi@vn.ey.com
ウェブサイト:www.ey.com

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