過少納税者に対する出国差し止め措置

過少納税者に対する出国差し止め措置

新たな決定の発行により
厳格化の方向へ

ベトナムにおける法人税、個人所得税などの納税義務について、過少納税額がある場合には、各納税者に対して、一時的な出国禁止措置が適用されてしまう可能性があります。

当該措置は、従前より租税管理法で規定されていました。しかし、実務指針が明確でなかったため、実際に適用されるケースはあまり見られませんでした。ところが、2022年7月20日付の決定1129号にて、当該措置の施行細則が明文化され、厳格に適用されるようになっています。なお、法人税の過少申告がある場合には、その会社の法定代表者が当該措置の適用対象となるため注意が必要です。

納税状況の管理方法
見直しが必要に

納税義務違反が検出されると、税務当局より通知が発行され、入国管理局および当該納税者に送付されます。3回の通知にもかかわらず対応しない場合には、ベトナムから出国できなくなるケースも増加しています。

租税債務の精算にはかなりの時間を要するケースもあり、出国禁止期間が長引くおそれがあります。実際に納税を行っているにもかかわらず、税務ポータルシステムのエラーにより未払税金残高がある場合には、出国禁止となり得ます。このリスクを低減するため、納税証明書の取得等、納税管理の見直しの検討が肝要と考えます。

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール:eyhanoi@vn.ey.com www.ey.com

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