個人所得税の注意点。不動産収入への課税

個人所得税の注意点。不動産収入への課税

日本で得る家賃収入
などへの課税について

駐在員がベトナム赴任中に日本国内にある持ち家などの不動産を貸し、賃料を得るケースがあります。この賃料は、日本の不動産から生じる日本の国内源泉所得となるため、日本で不動産所得に対する個人所得税を納める必要があります。

一方で、ベトナムの国内法においては、ベトナム居住者は全世界所得が課税対象とされているため、この賃料について、ベトナムでも税率5%の個人所得税が課されます。これをベトナムで正しく納税していない場合、税務調査で指摘される可能性があり、実際に追徴を受けたケースも見られるため注意が必要です。

日越租税条約に基づき
免税申請が可能

上記の通り、賃料は日本およびベトナムで二重課税となってしまいます。ただし、日越租税条約では二重課税の排除について定めており、同条約第6条では、不動産に係る所得については「不動産の所在する国において課税できる」とされています。

従って事前に日本の税務申告書などの必要書類を揃えた上で、ベトナムで免税申請ができます。免税申請が認められれば、ベトナム側での5%の個人所得税を納める必要がなくなります。海外で得た賃料については、税務当局も徴税を強化しつつあるため、日本の持ち家などを賃貸している場合には、免税申請の検討をおすすめします。

西川 貴陽
Nishikawa Takaaki

公認会計士(日本・米国)、日系企業担当インドシナ副統括ディレクター。EY新日本有限責任監査法人にて、監査業務や株式公開支援業務、財務デューデリジェンス業務に従事後、2016年よりEYベトナムに赴任。

Ernst & Young Vietnam Hanoi Office
電話:(024) 3831 5100
メール: eyhanoi@vn.ey.com
ウェブサイト:www.ey.com

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