中野 崇之 さん/写真家・ 「インフィルベトナム」CEO

撮影・文/杉田憲昭(GRAFICA)

学びは一生、原点回帰。 ベトナムで写真道を行く

現地在住の写真家たちと ホーチミン市で写真展を共催 「最近、改めてアジアのストリートに興味を持っています。街に出て、出会ったものを撮る。ドキュメンタリーに魅力を感じています」 日本や香港・カンボジアなど、各国・地域での活動を経て、2016年からホーチミン市を拠点に活躍する写真家、中野崇之さん。CEOを務める「インフィルベトナム/INFIL Vietnam」では、人物からファッション・料理・商材まで、多彩なジャンルの撮影を手がけている。動画撮影も行い、ベトナムの街並みなど写真家らしい視点を交えながら、オフィスや工場をテロップやBGM付きで紹介する動画の会社案内は、ベトナムを知らない日本人にも分かりやすいと好評だ。 そんな中野さんが2022年7月、現地在住の日本人写真家2名と共に写真展「行雲流水」を開催した。 「居酒屋でばったりお2人と出会ったことがきっかけで。すっかり意気投合し、その場で開催を決めました。最初はベトナムをテーマにと考えていましたが、最終的に各々の作風を自由に押し出した作品を展示することに。私にとって写真は仕事でもありますが、コロナ禍を経て改めて初心に戻り、プライベートの活動も再開したいと思ったんです」 写真展には在住日本人をはじめ、国籍問わず多くの人が訪れた。ベトナムの地に流れ着いた写真家たちによる自由かつ個性あふれる世界観に、誰もが魅了された。開催時期は未定だが、ハノイの写真家仲間の協力の下、同地での開催も予定しているという。 写真で切り取る ベトナムにある温かさ ベトナムを拠点に活動する中野さんは、写真家としてこの地に大きな魅力を感じる。 「何よりベトナムには温かさがあります。路上で撮っていても、にこやかな笑顔が返ってくる。10年後はもっと発展し、変わることもあるでしょうが、今はまだ街にも人にも“生”のものが残っているんです」 人物だけでなく、時には丸1日、街なかのゴミだけを撮影することも。ゴミを見つめることで、街の色が分かるという。また、時間を見つけては被写体を求めてベトナム各地をバイクで走り回ったりもする。 「ほとんどの省に行きました。特に地方には変わった祭りが多いんです。メコンデルタのチャーヴィン(Tra Vinh)省で催される海の祭りでは、神様の舟に同乗させてもらったこともあります。この国には興味のある被写体が溢れているので、チャンスがあればどこへでも行きたいですね」 街中のふとした風景や少数民族など、今回の写真展でも中野さんは思いが詰まったベトナムの写真を並べた。 「尊敬する写真家は森山大道さん。いつかは彼のように写真に人生を捧げた作品が撮れればと思います。しかし、そのためには技術とは別に、心をもっと磨かなければいけない。長年写真を撮ってきて見えてきたものもありますが、学びは死ぬまで。それが写真の“道”なんだと思います」
中野 崇之 なかの たかゆき 写真専門学校卒業後、写真家のZIGEN(ジゲン)氏に師事。その後、撮影スタジオ「イイノメディアプロ」の設立に参画し、2000年に独立。2013年より国外での活動を開始し2017年に「インフィルベトナム」設立。 電話:076 572 0116 メール: godfather@e-infil.com FB: @zengaku
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