多民族が共存するインドネシア/色を楽しむ、多様性感じる色彩文化

約1万8000もの島々で構成された多民族国家であるインドネシア。70以上の民族が集まり、その約90%がイスラム教を支持しています。インドネシア人の生活に根付き、色彩文化にも色濃く反映されています。   インドネシアの国旗の赤は太陽と勇気、白は月と純潔を表しています。また、アニミズムやヒンズー教、仏教文化の色彩観を基本とし、黒、白、黄、赤の4色は寺院や工芸品の色に使われるという特徴もあります。   バリ島に行ったことがある人は多いでしょう。現地の人が、色とりどりのバティックシャツや、腰巻きを着用しているのをよく見かけますよね。このバティックといわれるロウケツ染のジャワ更紗は、ソガ染料という独特の茶色で染色されていて、正装では腰布として着用されています。   色に関しては、特にタブーなどはないので、基本的にいつどんな色を身に着けていても問題ありません。男性は、ビジネスシーンでも色付きのシャツを着るのが普通です。女性の場合も、「結婚式で花嫁と同じ白色の服は着用NG」という日本のようなルールはありません。葬式においても、黒色と決まってはいないため、普段通りのカラフルな服装で大丈夫なのです。   所変われば、色の使い方もこれほどまでに違います。異国の色彩文化は、知れば知るほど面白いですよ。
田岡 道子  Taoka Michiko カラースタイリスト、カラーデザイナー。DICカラー&デザイン社を経て独立。大学・専門学校等での講演、美容雑誌への寄稿多数。PPGタイランド社のオートバイ新色カラーショー、トヨタ自動車の色彩調査を担当。現在は世界各国を飛び回り活動中。著書に『COLOR OF LIFE 〜色を生活に取り入れよう〜』(税務経理協会)、『色で魅せる』(青月社)、『カラーコーディネーターになるには』(啓林書房)など。
関連記事
Related Articles
日本の文化や美意識を再認識できる 京都の街並みの色彩美
2024.11.14

日本の文化や美意識を再認識できる 京都の街並みの色彩美

ベトナムにいる間に行っておきたい ヒマラヤの壮大な色彩美
2024.10.14

ベトナムにいる間に行っておきたい ヒマラヤの壮大な色彩美

雨季は明るい色合いで! 毎日を快適に過ごすコツ
2024.09.14

雨季は明るい色合いで! 毎日を快適に過ごすコツ

豊かな緑を眺めれば 目の疲れが回復できる!
2024.08.14

豊かな緑を眺めれば 目の疲れが回復できる!

2024年の注目色は、 未来を照らす、明るく優しいブルー!
2024.07.14

2024年の注目色は、 未来を照らす、明るく優しいブルー!