メディカルトーク 「子宮頸がん」を防ぐHPVワクチン 子どもはもちろん、成人女性も接種を推奨

メディカルトーク

症例

ホーチミン市在住の16歳女児。周囲の友人がHPVワクチンを打ったことを両親に話した。日本ではHPVワクチンで歩行困難になったなどの副作用報道があったため不安になり、親と共に相談に訪れた。

子宮頸がんによる死亡は年間3000人 感染の多くは、ワクチンで防げる

日本では、20〜40代の女性を中心に毎年約1万人が新たに子宮頸がんと診断され、年間で約3000人が亡くなっています。9割近くは、子宮摘出などの手術や抗がん剤治療が必要となり、子どもを産むことが難しくなるケースも少なくありません。   原因の95%以上がヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるもので、17歳未満でワクチンを接種すると9割近く予防できます。日本では、小学6年生〜高校1年生の女子が定期接種の対象ですが、副反応に関する医学的に根拠のない報道により、接種率1%以下となっているのが現状です。接種率が80%以上の多くの先進国と比べ、由々しき事態です。

性交渉の前にワクチン接種を 男児と成人女性も接種可能

HPVワクチンは、世界で約8億回が接種されており、他のワクチンに比べて特別に重い副反応を起こすわけではないことがわかっています。   HPVは性交渉により感染するため、1度でも性交渉をする前にワクチンを接種しておくことが理想的です。9歳から接種可能で、WHOは11〜12歳での接種を推奨しています。   日本ではまだ定期接種の対象ではありませんが、男児も接種できます。子どもとその将来を守るため、HPVワクチンの接種を強くおすすめします。   また、成人女性でも接種が可能なので、ワクチンをまだ打ったことがない人はご相談ください。
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