ベトナム人事のプロフェッショナルでありたい

2020年10月に本誌で実施した「読者アンケート」で、「ベトナムスケッチ特別インタビュー記事」に当選した稲垣成美さん。現在は採用支援、HRテック、教育研修など、人事周りで幅広いサービスを提供する「パソナテックベトナム」のハノイ支店でマネジャーを務めている。来越のきっかけや仕事内容、将来の展望などをきいた。

――― 来越のきっかけは何ですか?

大学卒業後、途上国で働きたいと思い、ベトナム人留学生を日本へ送り出す機関のインターン生として2015年に初めてベトナムを訪れました。仕事は留学申請書類の翻訳確認をする作業が中心でした。   事務作業はあまり好きではなかったものの、この仕事を経験したことで自然とベトナム語を身につけることができました。香港への留学経験があったので元々英語はできましたが、この時期にベトナム語を習得できたことは現在の仕事に活きていると思います。   半年間の勤務後、パソナテックベトナムに入社しました。「社会の問題点を解決する」というパソナグループの企業理念に共感し、現在の社長に初めて会った時に「一緒に働きたい」と強く感じたので、採用が決定した時は嬉しかったです。入社後は東京で3ヶ月間の勤務を経てからハノイに戻り、採用支援事業に携わりました。

――― 現在の業務を教えてください。

採用支援に加えて、日系企業の人事制度や評価制度の見直し、ビジネス研修の提供、また各種プロジェクトのマネジメント等、様々な業務を担当しています。   中でも、人事コンサルティングはクライアント企業と組織を一緒に作りあげている感覚があり、特にやりがいを感じています。海外で豊富な経験を積まれてきた方々とのやりとりは学びが多いです。   そういった方々との仕事において、「ベトナムの人事に関するプロでありたい」と思います。そのためには、例えばベトナムの法律改正について聞かれた時にすぐサポートができるよう、日々勉強が必要です。その知識やノウハウを後輩に伝えることも現在の課題です。 ハノイ支店は人材部門とエンジニア部門で構成され、約20人が在籍。強い責任感とプロ意識を持った少数精鋭のチームで、業務は英語、ベトナム語、日本語で行われる 「ベトナム国内の旅行は、ほぼ全域を網羅しました。特に心を掴まれたのは、ハザン(Ha Giang)省ホアンスーフィー(Hoang Su Phi)県の棚田の景色です」

――― 今後の展望を教えてください。

ベトナムで働き始めてから6年が経ち、「日本の企業のために何ができるか」ということも常にイメージしています。今後、多国籍な職場環境や海外拠点と仕事をすることは勿論、外国企業と競争することがあたりまえの世の中になると思います。その中で日本の企業がグローバル人材を活用して、勝ち残っていけるよう人事制度作りのお手伝いができればと感じています。また自身のこれまでの海外経験を活かし、企業や後輩たちがもっと世界に目を向けられるよう、世界を魅せる人でありたいです。
稲垣 成美 いながき なるみ 1992年生まれ。兵庫県出身。関西学院大学総合政策学部卒業後、2015年に渡越。現在、「パソナテックベトナム」ハノイ支店にマネジャーとして勤務。主に人事労務関連のコンサルティング業務を担当している。趣味はランニング、語学、旅行。
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