29屋的 越南食卓 /第49回

カレーという名称が、ベトナム空手における 「気合ッ!」である件について

29ya ベトナムローカルの空手道場を見学した時の話。若者たちが励む姿は真摯で清々しかったのだが、ズッコケたのは先生が「気合(きあい)を入れろ!」と号令をかけた直後。普通であれば、攻守の動作に合わせて「押忍(おす)!」とか「えいやっ!」とか腹の底から声を出すものなのだが、なんとベトナムの若者たちは、文字通りに「気合ッ、気合ッ、気合ッ!」と大真面目に発声したのである。これがどれぐらい変かというと、「あいさつをしなさい」と言われた子どもが、こんにちはとかシンチャオの代わりに、「あいさつッ!」と返事したのと同じ。おそらく、ベトナムの空手教則本か何かに「『気合』を入れろ」とか書いてあったのを、訳した人が「『気合』って叫べばいいんだな?」と勘違いしたまま一般に定着してしまったのだろう。   ところで、カレーについての雑学。イギリスがインドを植民地支配していた時に「各種香辛料を使って肉や野菜を煮込んだ料理」が、本国で研究&商品化されて「カレー粉」なる調味料が生まれ日本にも伝わったのだが、実はインドには「カレー」なる料理はなく、インド主言語の1つタミル語で「おかず・食事」を表す「カリ」が、その語源らしい。たぶん当時、英:「旨っ!! これ、なんていう料理?」、印:「いや、別に普通のカリ(おかず)ですけど」、英:「そうか、『カリー』というのか! 俺、全力で広めるわ!」という会話があったのではなかろうか。今月もガッツ!

【今月の終着点】「経験とは、誰もが自分の過ちにつける名前のことだ」BY オスカー・ワイルド
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