29屋的　越南食卓／第44回

29嫁に聞いてみた。『ベトナム人ってキャンプしないの？』

野外アクティビティの至極とも言える、キャンプ。元々は原始狩猟生活や戦争での遠征、アメリカのフロンティア開拓など、先人達が自然と戦いながら人類の行動範囲を拡げていった歴史を思い起こしつつ、「便利な世の中で暮らしてるモヤシっ子たちを、いっちょ自然の中に放り込んで鍛えてやるかね？」的な感じで、19世紀半ば頃にアメリカで教育プログラム＆レジャー化し、世界中に広がっていたそうだ。　かくいう僕は、三重県のど田舎出身。子どもの頃の夏休みの定番といえば、ご近所さんと一緒にキャンプ施設や猪とか猿の出ない安全（多分）な川原まで行き、日がな一日、虫や魚を取ったり、定番のアウトドア料理を作ったり、夜は花火＆キャンプファイヤーと、一通りの夏の思い出はあったんだなあと、「エアコン大好きインドア派＆虫とか触れない軟弱な大人」に成り下がってしまった今、郷愁とともに思い出した今日この頃。　ところで、「そういえば、ベトナム人ってキャンプしないの？」と、メコンデルタ某省出身の29嫁に聞いてみたところ、「普段ジャングルとか河の傍に住んでるのに、なぜいちいち別のジャングルや別の河に行って、しかもそこでご飯作らなきゃいけないの？」とのこと。まあ、確かに「不便を楽しむ」という遊びは、普段便利さの中で暮らしてる人間にこそ楽しめるもんなんだろう。　おおっぴらにレジャーができる日まで、故郷の星空を思いながら、大鍋でカレーでも作って、人と財布と地球に優しい男であろうと思う。今月もガッツ！