メディカルトーク 新型コロナウイルス 気になる現状と、今後の予想

メディカルトーク

症例

日本人バス運転手。肺炎を発症し、検査で新型コロナウイルスと確定。渡航歴はないが、武漢からのツアー客を乗せ、行動を共にしていた。(厚生労働省『新型コロナウイルスに関連した肺炎の患者の発生について』より抜粋)

有効な治療薬は無いが 現在、死亡率はSARS以下

新型コロナウイルスとは、2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(以下、SARS)の親戚のようなウイルスで、2019年に中国の武漢市より始まりました。肺炎を起こしますが、必ずしも重症になるわけではなく、症例のバス運転手は海外旅行に行けるくらい元気な中国人患者から感染したと考えられます。   現在は、PCRという時間とお金がかかる検査でのみ診断可能です。今のところ治療薬はありません。死亡率は、インフルエンザが0.1%、新型コロナウイルスが2%、SARSが10%くらいです。大量の患者のために病院機能が麻痺した武漢市周辺を除けば、インフルエンザと大して変わらないという説もあります。

政府指定の医療機関でのみ治療可 マスクを過信せず、長期化への心構えを

ベトナムでは、政府が指定する医療機関でのみ治療が許可されており、ホーチミン市内では公立の4病院が指定されています。PCR検査を受けられるのは、①「過去2週間以内に中国に滞在した者」か、②「①との濃厚接触者」の肺炎患者に限られます。   予防としては、マスクと手洗いぐらいですが、マスクの効果も疑問視されているので、マスクがぼったくり価格で売られていたら買うのは止めましょう。マスクを自作しても、タオルを巻いても、効果は同じです。さらに、新型コロナウイルスの流行は長引くと予想されており、SARSの時のように終息しない可能性があります。事態長期化への心構えをしておきましょう。
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